令和6年の米不足はなぜ起きた?その原因とこれからの日本の農業を考える

令和6年の夏から、突如としてスーパーの米がなくなるという米騒動が起きています。食べ盛りのお子さんがいるご家庭では、なんとかしてお米を確保しようと奔走された方もいるでしょう。

「令和の米騒動」と言われるこの現象、起きた原因は一体何なのでしょうか?一過性の米不足なのか、今後も続くのか気になりますよね。

この記事では、米不足が起きた原因と、日本の農業が抱える問題、さらには今後の日本の農業について解説しています。

 

米不足の原因は米の需要と供給のアンバランス

令和6年の米の供給量は、令和5年の高温・渇水の影響により、そもそもの供給量が197万トンから156万トンに低下しています。(農林水産省マンレポ:令和5年/6年の6月比較

その一方で、パンなどの小麦製品の価格上昇により、値上がりが緩やかな米の消費量(需要)は増加傾向にあり、令和4/5年691万トンから5/6年は702万トンに。(下のグラフ参照)

市場への米の供給が減り、需要が増えた結果、出回っている米は例年よりも少なかったということが考えられます。

近年は、米余りが問題視されていましたが、令和6年の夏はいくつかの要因が重なったことで米が不足するという事態になっています。

いくつかの要因とは、次の3つがあげられます。

  1. ・昨年と比較して市場に出回っている米の量が少なかったこと
  2. ・インバウンドによる外食産業での消費が増えたこと
  3. ・南海トラフ地震の備蓄による買いだめ需要

米作りでは予期せぬ自然災害の影響も受けやすく、さまざまな要因が複雑に重なるため需要と供給のバランスをとることは簡単ではありません。

 

日本人の米の消費量は減っている?

私たちが安定した価格で米を購入するためには、生産者の人たちの所得の安定が欠かせません。日本の米作りは、生産者の方の高齢化による後継不足と、日本人の米の消費量低下という問題を抱えています。

日本人の米の消費量が減っている理由の一つとして、共働き世帯の増加があげられます。

共働き世帯の増加により、食事を簡単に摂ることが増えたり、外食やお弁当・惣菜を購入して家で食べるといった「中食」が増え、米をあまり備蓄していない家庭が増えています。

日本の農業の変化・取り組み

食料安全保障とは

すべての国民が将来にわたって、良質な食料を合理的な価格で入手できるように、国が責務として食料の安全保障を図っています。

平成11年に施行された「食料・農業・農村基本法」には、国内の農業生産の増大を基本とし、不測の事態に備えて輸入・備蓄を組み合わせて供給を確保することが記されています。

→ 農林水産省「食料安全保障とは」参照

 

食料安全保障の強化に向けた施策

  1. ・スマート農業の推進
  2. ・水田を畑地化し国産小麦・大豆の供給力強化
  3. ・事前契約・播種前(はしゅまえ)契約による生産販売
  4. ・コメ・コメ加工品の輸出促進

スマート農業

農業の後継者不足の課題に対し、少人数でも生産が可能な「スマート農業」を推進しています。IT技術を活用したシステム、新品種の開発・導入に積極的に取り組んでいます。

導入事例は次のとおりです。

営農管理システムの導入 データを取り、作業のムダを見つけて手順改善
ロボットトラクター カメラやセンサーによって、自動的に種まき・収穫ができる
水管理システム 遠隔でハウス内の状況を確認、水管理ができる
AI×ドローンの活用 ドローンによる農薬・肥料の散布で労力軽減

これらの技術により、コストの削減、少人数での生産が可能になります。

 

水田を畑作地にし小麦・大豆の栽培へ

水田の畑地化は国内の農業政策として重要な取り組みです。生産者の高齢化にともなう耕作放棄地を減らし、食料自給率を向上させることができます。

日本では、小麦・大豆製品の多くを海外からの輸入原材料に頼っていましたが、食料の安全保障の観点から、国産への転換を目指しています。2030年までに小麦+9%、大豆+16%を目標としています。(2021年比較)

 

コメ・コメ加工品(せんべい、日本酒、パックごはん、米粉製品)の輸出促進

グラフを見てわかる通り、海外へのコメ・コメ加工品の輸出量は増加しています。その理由として、

・アメリカでのパックごはん、米粉需要拡大

・グルテンフリー市場の拡大

・干ばつなどによるカリフォルニア産米の高騰で日本産の輸出増

などがあげられます。

今後さらに、日本の人口は減ることが予測されるため、コメの需要も低下すると見込まれています。コメ・コメ加工品の輸出促進は、海外での市場を拡大し生産者産の安定した所得を維持することにつながります。

 

事前契約・播種前(はしゅまえ)契約による生産販売

米や作物の事前契約や播種前契約は、生産者と買い手が農作物を作る前に、価格や数量などを決める契約のことです。生産者が事前に需要を把握し、必要な分を計画的に生産ができます。

買い手は必要な量を確保できるので安定して調達でき、生産者は収入の予測が立てやすく、作り過ぎによる無駄が減らせます。

 

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ありがとう米

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琵琶湖の東側に位置する滋賀県長浜市は、環境や健康に配慮する農家さんが多い地域です。

ありがとう米 生産者さん

生産者のSHIBATA GROUND MUSICの柴田さん

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料理やお好みに合わせて、玄米・5分付き・7分付き・白米から選ぶことができます。

 

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農家直送のお米をオンラインで購入するメリットについて、こちらの記事でもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

 

 

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