無添加とは?食品添加物不使用表示のガイドラインから商品を選ぶポイントを解説

「無添加」と記載されている商品を見ると、無意識のうちに「身体に良さそう」といったイメージをもつ人も多いのではないでしょうか?

ところが、実際には「無添加」の記載がある商品と、そうでない商品にはどのような違いがあるのか、パッケージから想像するだけではわからないこともあります。

この記事では、無添加の定義や無添加製品を選ぶときのポイントを紹介しています。「食品添加物の不使用表示ガイドライン」の内容もわかりやすく解説しているので、この記事を読んでいただくとパッケージの表示に惑わされず、商品が選べるようになるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください!

 

無添加とは?

無添加とは、食品や製品において特定の添加物が含まれていないことを指します。食品の場合は、「保存料」「着色料」「香料」「甘味料」「防腐剤」などが添加物にあたります。化粧品であれば、合成香料やパラペンなどです。

無添加表記のある製品では、これらの添加物を一切使用しないことが定義づけられています。

 

無添加には種類がある

無添加という言葉には、完全無添加と一部無添加が存在します。「完全無添加」とは、原材料の産地から最終的な加工工程までの全工程において、添加物が一切使用されていない製品を指します。

一方で「一部無添加」とは、特定の添加物が不使用であることをいいます。新しいガイドラインでは、どの添加物が不使用なのかを明確に表示することが義務づけられており、消費者が製品を選ぶときの指標となるでしょう。

 

 

食品添加物の不使用表示ガイドラインをわかりやすく解説

食品添加物の不使用表示ガイドライン

「食品添加物の不使用表示ガイドライン」とは、これまでに曖昧だったガイドラインを見直し、2022年に食品添加物表示の禁止事項をまとめたガイドラインです。

消費者が購入時に誤認することを避ける目的があり、事業者においては食品添加物表示の自己点検をするために用いることができる、具体的な事項にまとめられています。

ここでは、食品添加物の不使用表示ガイドラインの内容をわかりやすくまとめました。

  1. ① 無添加の対象が不明確な「無添加」表示
  2. ② 食品表示基準に規定されていない用語を用いた表示
  3. ③ 食品添加物の使用を認められていない食品への「無添加」「不使用」表示
  4. ④ 同一機能・類似機能をもつ食品添加物を代替した食品への強調表示
  5. ⑤ 食品添加物を原材料として使い加工等をした食品への「無添加」「不使用」表示
  6. ⑥「健康」「安全」と関連づけた表示
  7. ⑦ 無添加・不使用と特定の用語を関連づけた表示
  8. ⑧ 食品添加物が一般的には使用されることのない食品への表示
  9. ⑨ 加工助剤やキャリーオーバーとして食品添加物が使用されている食品への表示
  10. ⑩ 過度に強調された表示

①無添加の対象が不明確な「無添加」表示の禁止

無添加となっている原材料などが不明確で、単に「無添加」という表示があるものは禁止されています。

消費者が予想している添加されていない原材料と、事業者が実際に添加していない原材料とが異なる可能性があり、内容を誤認するおそれがあるからです。

 

②食品表示基準に規定されていない用語を用いた表示

「人工」「合成」「化学」といった、食品表示基準に規定されていない用語を使って、「人工甘味料不使用」や「化学調味料無添加」などと表示することは禁止されています。

これらの表示は、消費者が商品を選ぶときに、実際のものより優れているとイメージして誤認する可能性があります。

 

③食品添加物の使用を認められていない食品への「無添加」「不使用」表示

法令上、食品添加物の使用を認められていない食品にも関わらず、「無添加」や「不使用」の表示をすることは禁止されています。

無添加や不使用表示がある製品は、添加物を使用した商品と比較して優れていると誤認し、消費者の購入を促すからです。

たとえば、ソルビン酸の使用が基準違反にあたる清涼飲料水に「ソルビン酸不使用」と表示する、といったことが該当します。

 

④代替する食品添加物を使用した食品への強調表示

「〇〇無添加」「〇〇不使用」という強調した表示をしながら、〇〇と同じような機能をもつ食品添加物を使用することを禁止しています。食品添加物を避けたい消費者が、誤認して〇〇の添加物を使用している商品より優れているとイメージして購入する可能性があるからです。

 

⑤ 食品添加物を原材料として使い加工等をした食品への「無添加」「不使用」表示

「〇〇無添加」「〇〇不使用」という強調した表示をしながら、〇〇と同じような機能をもつ原材料を使用することを禁止しています。

たとえば、原材料にアミノ酸(食品添加物)を含む抽出物を使用した食品に対しての無添加・不使用表示。

または、乳化作用のある原材料を複雑に加工して使用した食品に対しての「乳化剤不使用」表示などを指します。

 

⑥「健康」「安全」と関連づけた表示

無添加や不使用の表示を使用して、「健康」「安全」の理由としている表示を禁止しています。

もともと日本で認められている食品添加物は、人の健康を損なうおそれがないものに限られています。そのため、事業者が独自に健康や安全の検証をして、「健康に良い」や「安全な〜」などと表示できません。

 

⑦無添加・不使用と特定の用語を関連づけた表示

無添加や不使用の表示を使用して、健康・安全以外の用語においても関連づけた表示を禁止しています。

たとえば、因果関係が不明な食品に対して「おいしさ」の理由に、無添加や〇〇不使用を用いること。

「開封後」の記載なく「保存料不使用なのでお早めにお召し上がりください」と表示することなど。消費者に誤認をあたえる可能性がある表示をいいます。

 

 

⑧食品添加物が一般的には使用されることのない食品への表示

消費者が、一般的に食品添加物が使用されていると想像していない食品に対しての「無添加」「不使用」表示は禁止されています。

同種の商品が並んでいる場合、無添加・不使用表示があるものの方が優れていると認識してしまうおそれがあるからです。

たとえば、一般的には着色料が使用されていない食品に対して「着色料不使用」の表示、ミネラルウォーターに「保存料不使用」表示などが該当します。

 

 

⑨加工助剤やキャリーオーバーとして食品添加物を使用した食品への表示

加工助剤、キャリーオーバーとして食品添加物が使用されている、または使用されていないということが確認できない食品に「無添加」「不使用」の表示を使用することが禁止されています。

食品添加物の表示については、原材料の製造・加工工程までさかのぼって確認しなければなりません。

たとえば、原材料の一部に保存料を使用した製品があったとしても、加工後の製品では「保存料不使用」と表示することや、原材料をさかのぼって確認できない場合に、自社の製造工程に限定という記載とともに、「無添加」「不使用」の表示をすることは禁止されています。

 

 

⑩過度に強調された表示

無添加・不使用の表示を過度に強調した表示は禁止されています。ただし、表示が事実であれば、すぐに禁止事項に該当するわけではありません。

禁止事項に該当する例として、消費者が一括表示を見る妨げとなるような、過度に強調されたフォント・大きさ・用語を記載すること。

ほかには、保存料や着色料は使用していないが、それ以外の食品添加物を使用している場合に、「無添加」と大きく表示した横に小さく「保存料、着色料」と表示することなどです。

 

無添加の製品を選ぶポイント

食品添加物の不使用表示ガイドラインの内容からわかる、実際に無添加の製品を選ぶときのポイントを紹介します。

 

成分表示を確認

まずは、成分表示を確認し何が使用されているのかを確認しましょう。具体的に何が「無添加」「不使用」なのかを確認しなければなりません。

さらに、原材料名を見て、不明な食品添加物が使用されていないか確認しましょう。

 

信頼できるブランドから選ぶ

無添加にこだわった製品を販売するブランドから選ぶのも一つです。

無添加にこだわっている企業では、原材料の加工工程までさかのぼり、徹底した確認をしていることも多いでしょう。産地まで限定して記載されていることもあります。

価格は一般的な製品と比較して高くなりやすいですが、無添加へのこだわりが安心感につながります。

子育て世帯に多く利用されている、無添加にこだわった冷蔵のお惣菜が届く『シェフの無添つくりおき』もその一つ。
使用している調味料もメーカーに問い合わせて規格書を取り寄せて添加物のチェックを行っていますので、自分で一から探すことを考えると大きな違いが生まれそうです。

シェフの無添つくりおき公式サイト

 

「無添加」の表示に惑わされない

無添加の表示には、消費者が誤認するような記載がされていることもあり注意が必要です。

無添加にこだわりがある消費者は、「無添加」と表示されているもの=「いい商品」とイメージする傾向にあります。

食品添加物の不使用表示ガイドラインを参考にして、惑わされないようにしましょう。

 

 

無添加についてよく知って選ぼう

私たちは、無添加というと「安全」「安心」「いい商品」とイメージして、多少価格が高かったとしても無添加の製品を選ぶことがあります。

無添加には種類があることを知り、完全無添加なのか一部無添加なのかを確認しなければなりません。それによって、その製品が「無添加」でないものと比べて安心できるものかどうかを見極める必要があります。

無添加の定義や種類を知ったうえで、用途に応じた選択がしていけるといいですね。

 

 

参考

食品添加物の不使用表示に関するガイドライン