作り置きおかずは食中毒に注意!調理・保存のポイントを抑えて上手に活用しよう
作り置きおかずは仕事で忙しい平日や、子どもとアクティブに遊んで疲れた週末の強い味方ですね。
しかし、間違った調理・保存法では菌が繁殖しやすく、食中毒が起きる可能性があります。特に、小さなお子さんは消化器官が未熟で、免疫力も低いため注意が必要です。
ここでは、作り置きおかずの正しい調理法・保存法やおすすめのレシピを紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
食中毒が発生しやすい状況は?
食中毒を引き起こす細菌やウイルスなどは、増殖に必要な水分・栄養・温度の3つの条件が揃うと爆発的に増殖します。
夏場に多いイメージの食中毒ですが、年間を通して発生しており、季節を問わず注意が必要です。
増殖に必要な「水分・栄養・温度」のうち、1つでもコントロールできれば食中毒の発生リスクを軽減できます。
特に、作り置きおかずは作ってから数日掛けて食べることが多く、時間が経つほど菌は増殖していくため注意が必要です。
水分
菌は生存・増殖する際に水分を必要とするため、水分管理をおこなうことで増殖を抑えられます。
分かりやすい例えでは、魚や果物などの干物です。魚や果物は水分量が多く、そのまま置いておくとすぐに菌が増殖したり腐ったりします。
しかし、干物にすると水分量が減るため、菌は増殖できず長期保存が可能です。
作り置きおかずは、汁気の少ないレシピを選びましょう。
栄養
私たちにとって栄養になるものは細菌にとっても栄養になります。
食品だけでなく、包丁やまな板に付いている汚れも細菌にとっては栄養源です。
細菌が増殖した調理器具で調理したことにより、食中毒を引き起こす可能性も少なくありません。
使用した調理器具はしっかりと洗い、殺菌しましょう。
温度
細菌の発育に適した温度は20~50℃といわれており、最も発育するのは36℃前後です。
温度は細菌が増殖する最も大きな要素ですが、一番コントロールしやすい条件でもあります。
菌の増殖しやすい温度が長く続くと一気に菌が増えるため、できるだけ早く冷ましましょう。
加熱後、冷めやすいようにバットに広げたり、保冷材を使ったりするのも効果的です。
安全な調理のポイント
作り置きおかずを安全に調理するポイントは、食中毒の予防原則「つけない」「増やさない」「やっつける」を徹底しながら、日持ちする食材・レシピを選ぶことです。
傷みやすい食材でも抗菌作用のある食材や調味料を使うことで、日持ちします。
調理のポイントをおさえ、作り置きおかずを活用しましょう。
調理器具の消毒
菌の繁殖を防ぐためにも、まずは使用する調理器具を消毒しましょう。
基本的なことですが、調理前は手洗いを徹底し食品に菌が付かないようにしてください。
食品用のアルコールや、除菌スプレーを活用すると、簡単に消毒できます。
しっかり加熱
食中毒菌は加熱によって死滅するため、しっかりと中まで火を通しましょう。
菌を死滅させるには、中心部の温度を75℃で1分間以上加熱してください。
厚みのあるお肉や魚は中心部分まで火が通りづらく、半生になりやすいです。
心配な場合は加熱後に一度切って、しっかりと中まで火が通っているか確認しましょう。
切れない場合は竹串やお箸を刺して、出てくる肉汁の色で判断できます。
肉汁の色が透明なら火が通っていますが、赤色やピンクの場合まだ充分に火が通っていません。
厚みのある部分は、包丁で開いてから加熱しましょう。
開いてあれば、短時間で中心まで火が通り、時短やガス・電気代の節約にも繋がります。
濃い味付け
作り置きおかずは少し濃いめの味付けにすると、菌の繁殖を抑え日持ちできます。
塩や砂糖は水分を吸収するため、濃いめに味付けをすると菌が繫殖に使う水分がなくなり増殖できません。
保存食として代表的な塩漬けや砂糖漬けも、この原理を利用して長期保存が可能になっています。
しかし、味が濃いものを食べ続けるのは体に悪いため、他の料理は薄味にするなど工夫しましょう。
水分を切る
水分をしっかり切ることで食中毒のリスクを抑えられます。
煮物などは煮詰めて水分を飛ばすことで塩分濃度も濃くなり、さらに保存性を高められます。
和え物は水分が多く菌が繁殖しやすいため、調理前に食材の水分をしっかり取りましょう。
塩もみして余分な水分を絞ったり、キッチンペーパーを活用したりすると日持ちします。
抗菌 効果のある食材・調味料
抗菌効果のある食材や調味料を取り入れることで、菌の繁殖が抑えられ日持ちします。
以下の食材・調味料は抗菌作用があります。
- 梅干し
- 大葉
- お酢
- わさび
- レモン
- こしょう
- 唐辛子
- にんにく
- カレー粉などのスパイス
梅干しや大葉は付いている部分しか抗菌効果がないので、混ぜこんだり合えたりしましょう。
食材が空気に触れていると酸化が進み傷みが早くなるため、マリネなどのオイル漬けもおすすめです。
安全な保管方法のポイント
どんなに気を付けて調理しても、保存方法が間違っていると菌が増殖してしまいます。
作り置きおかずは数日間保存する前提のため、正しい保存法を知っておきましょう。
保存容器
調理器具同様に、清潔な保存容器を使用しましょう。
タッパーは洗い残しが多いため、洗う際は油残りなどがないようにしっかりと洗いましょう。
特に、容器の隅や蓋の溝など、洗いにくいところは念入りに洗ってください。
使用する前に、食品用の除菌スプレーをかけて乾燥させておくのもおすすめです。
蓋をするタイミング
料理が熱い状態で容器に移すと、水滴がつき菌が繁殖しやすくなってしまいます。
出来上がったらしっかり冷ましてから容器に移しましょう。
保存袋に入れる際はできるだけ空気を抜いて、酸化を遅らせましょう。
日付
作り置きおかずを活用していると「あれ?このおかずいつ作ったっけ?」という経験をしたことはありませんか?
いつ作ったか分からないおかずを食べるのは、とても危険です。
作った日付を容器に書いておくと一目で分かり、作ったママ以外も把握できます。
作り置きおかずといっても、以下の表を参考に早めに食べきりましょう。
生野菜を使ったレシピ | 1~2日 |
---|---|
加熱したレシピ | 2~3日 |
酢や塩を多く使ったレシピ | 3~4日 |
取り分け時の注意点
作り置きおかずをタッパーからお皿に取り分ける際は、きれいな箸やトングなどを使いましょう。
ほかの料理を触った箸やトングを使いまわすと傷む原因になるため、1品ごとに使い分けるのがポイントです。
しっかり手洗いしていても手には菌が付いているため、素手で触るのも避けましょう。
夏場にもおすすめの作り置きレシピの紹介
夏場は気温も湿度も高いため、菌が増殖しやすい条件が揃いがちです。
お酢や抗菌効果のある食材を使った、夏場におすすめのレシピを紹介します。
豚こま肉と彩り野菜の黒酢炒め
抗菌効果のある黒酢を使った夏場におすすめのレシピです。
夏場は暑さで食欲も落ちているため、黒酢の酸味で食欲をかきたてましょう。
野菜はお子さんの好きなものに変更することで、家族みんなで楽しく食事ができます。
【材料】
- 豚こま切れ肉 200g
- 玉ねぎ 1/2個
- ピーマン 2個
- 赤パプリカ 1/2個
- 黄パプリカ 1/2個
- 薄力粉 適量
【調味料】
- 黒酢 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 料理酒 大さじ1
- すりおろしニンニク 少々
- ごま油 少々
【作り方】
- ①ピーマン・パプリカのヘタと種を取り除き、玉ねぎと一緒に縦1㎝にカット
- ②豚こま肉に薄力粉をまぶしておく
- ③ボウルに調味料を入れ混ぜておく
- ④フライパンにごま油をひき、豚こま肉を炒める
- ⑤玉ねぎ・パプリカ・ピーマンの順に炒める
- ⑥火が通ったら調味料を入れ完成
きんぴらごぼう
きんぴらごぼうは作り置きおかずの定番ですね。
抗菌作用のある唐辛子を使うことで、さらに日持ちします。小さなお子さんがいるご家庭では、唐辛子抜きにしてあげてください。味を濃いめにし、煮汁をしっかりと煮詰めるのがポイントです。
【材料】
- ごぼう 150g(1本)
- レンコン 50g
- 人参 1/2本
【調味料】
- 砂糖 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 醤油 大さじ2
- だしの素 小さじ1
- いりごま 適量
- ごま油 適量
【作り方】
- ①ごぼうはささがき、れんこんは薄切りにして10分ほど水にさらす
- ②人参は皮をむき千切りにする
- ③フライパンにごま油をひき、水気をよく切った野菜を入れ炒める
- ④調味料を入れ汁気がなくなるまで、よく煮詰める
- ⑤いりごまを加えてサッとあえて完成
ささみの梅肉大葉和え
低カロリーでさっぱりしており「もう一品欲しいな!」というときに活躍するレシピです。
抗菌効果のある梅干しと大葉を使ってあるため、夏場でも安心して作り置きできます。梅干しははちみつ漬けなどの甘いタイプより、酸っぱい方が抗菌効果が高いためおすすめです。
【材料】
- ささみ 2本
- 大葉 3米
- 梅干し 2粒
- (ささみ用)
- 塩コショウ 少々
- 酒 大さじ1
【調味料】
- めんつゆ 大さじ1
- すりごま 適量
- ごま油 適量
【作り方】
- ①筋抜きしたささみを耐熱容器に入れ、塩コショウ、酒と一緒にレンジで3分ほど加熱する
※加熱時間はレンジによって異なるため、しっかりと火が通るまで加熱してください - ②ささみの粗熱が取れたら、食べやすい大きさにほぐす
- ③大葉は洗ってから水気をしっかりふき取り、千切りにする
- ④梅干しは種を取り除き、包丁の背でたたいておく
- ⑤材料・調味料をボウルに入れ、よくあわせて完成
まとめ
作り置きおかずは忙しいママの強い味方ですが、作ってから数日掛けて食べるため、食中毒に注意しましょう。
正しい調理、保存法を守れば安全で美味しい作り置きおかずを活用できます。
抗菌効果のある食材を使うと、さらに安心ですね。
作り置きおかずの作り方をマスターして、子どもとの時間を楽しみましょう。
作り置きを作っても、
「せっかく作ったのに食べてくれない」
「子どもの分だけ別で作るのが手間」といった声をよく聞きます。
そんなときは、思い切って作り置きの宅配サービスを頼ってみるのも手!
添加物不使用のお惣菜を週替わりでご自宅にお届けする「シェフの無添つくりおき」です。
定番メニューから普段自分では作らないものまで、新しい食体験のツールとしてもご活用いただけます。
また、独自の窒素置換技術で保存料を使用していないのに3日間冷蔵で日持ちします。
献立作成から調理までの、食事にまつわるストレスをフリーに。
家族のために安心できる添加物不使用の食事を選ぶことで、罪悪感からも解放してくれます。
食材や味付けなど、新たな発見を「シェフの無添つくりおき」で。
ぜひこの機会にお試しください。