化学調味料の一覧を深堀り!ホントのところを詳しく解説します
化学調味料について、知っているようでよく分からないという人は多いのではないでしょうか。
実は、化学調味料という呼ばれ方は古く、本来の呼び方は「うま味調味料」が正しいのです。
わたしも子どもが生まれてからは、日々の食事に気を付けるようになりました。漠然と疑問に感じていたうま味調味料(化学調味料)について知ろうとしたのも、子どもがきっかけです。
ここでは、うま味調味料(化学調味料)についてとことん解説していきます。
詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
<目次>
化学調味料(うま味調味料)の一覧から学ぶそれぞれの特徴
化学調味料という言葉を聞くと、あまりいいイメージを持てない人もいるのではないでしょうか。
わたしもその一人で、「なんだか体に悪そうだな」という印象があります。
しかし、化学調味料は今では「うま味調味料」と言われるのが一般的です。広く知られる「化学調味料」が「うま味調味料」と呼ばれるにはどうやら理由があるようです。
まずはうま味調味料の特徴について、詳しく見ていきましょう。
うま味調味料が化学調味料と呼ばれてきた理由
なぜ「うま味調味料」は「化学調味料」と呼ばれてきたのでしょうか。
これには理由があるようで、味の素のホームページに記載がありました。
(前略)それは、1960年頃に公共放送の料理番組で商品名(登録商標)を出すのを避けるため、「味の素®」の一般名称として”化学調味料”という呼び名が使用されたのがきっかけでした。(中略)その後1980年代には、この名称はうま味を加えるという商品の機能を正しく示すものでは無いという事で、”うま味調味料”という名称に変更されています。(後略)
引用 味の素株式会社
公共放送の料理番組で商品名(登録商標)を出すのを避けるために表現された言葉がキッカケとなったのですね。
その後、1980年代に「うま味調味料」という名称に変更されています。しかし、化学調味料という言葉は令和の時代になっても残っていますね。
一度浸透してしまった呼び方はなかなか変えられないという証拠なのでしょうか。それだけ広く使われてきたということかもしれません。
うま味の原料と製造方法
いわゆる「うま味」の原料のほとんどは、砂糖を作るときと同じ原料が使われています。
具体的にはさとうきびやとうもろこし、米やさとう大根などが原料となっているようです。
わたしは名前の印象から人工的な何かを使用していると思っていたので、さとうきびやとうもろこしが原料と知りほっとしました。
製造過程は「発酵法」が主流になっているようです。
さとうきびを搾った糖蜜や、キャッサバ、とうもろこしなどのでんぷんから得た糖を用い、グルタミン酸ナトリウムは発酵法によってつくられています。(後略)
引用 日本うまみ調味料協会
日本には味噌や醤油など、発酵食品が多く存在しますよね。
実はうま味調味料も同じような製造方法で作られているのですね。
謎の多い「うま味」の原料や製造について理解できました。
原料や製造方法が分かり、安堵した人も多いのではないでしょうか。
うま味の分類・成分・種類一覧
続いて、うま味の分類と成分について見ていきましょう。
アミノ酸系 | グルタミン酸ナトリウム |
核酸系 | イノシン酸ナトリウム
グアニル酸ナトリウム リボヌクレオチドナトリウム (イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物) |
有機酸系 | コハク酸ナトリウム |
ここで一つ豆知識ですが、ナトリウムとつくものが「うま味調味料」となり、つかないものは単なる「うま味」と表現されるそうです。
また、リボヌクレオチドナトリウムはイノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物になります。
続いてそれぞれのうま味成分を食材の種類で見ていきましょう。
- グルタミン酸:こんぶ・トマト・チーズなど
- イノシン酸:牛肉・豚肉・鶏肉・カツオ・かつお節など
- グアニル酸:干ししいたけ・ドライトマト・のり
- コハク酸:かき・あさり・しじみなど
イノシン酸は肉類や魚類、コハク酸は貝類が多いように感じますね。
うま味成分は相乗効果でよりおいしくなると言われているため、一般にスーパーなどで売られているうま味調味料のほとんどは複合うまみ調味料と言えます。
うま味調味料の違いや身近なうま味成分をご紹介
「アミノ酸系」「核酸系」「有機酸系」3つの成分に分けられるうま味調味料ですが、ここではその違いを詳しく見ていきましょう。
アミノ酸系うま味調味料 | グルタミン酸ナトリウム
加工食品表示→「調味料(アミノ酸)」 |
核酸系うま味調味料 | イノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウム・リボヌクレオチドナトリウム
加工食品表示→「調味料(核酸)」 |
有機酸系うま味調味料 | コハク酸ナトリウム
単品での市販はほとんど見られないため、複合調味料として販売されている |
複合うま味調味料 | 2種類以上のうま味調味料が含まれているもの
加工食品表示→「調味料(アミノ酸等)」 |
うま味について理解が深まってきました。
3つのうま味調味料に加え、複合うま味調味料というのもあるのですね。
次は身近に含まれるうま味成分について見ていきましょう。
母乳は身近に含まれるうま味成分
身近に含まれるうま味成分の代表として、母乳があります。
母乳はグルタミン酸が豊富で赤ちゃんにとっては初めてのうま味となります。
こんなに早くうま味成分との出会いがあるとは驚きですね。
世界のうま味文化をご紹介
うま味は世界共通の公式用語であり、表記は「umami」となります。
世界で認められた存在であることが分かりますね。
うま味文化は日本に限らず世界各地に根付いています。
タイのナンプラーやヨーロッパのチーズやハムもその一つです。
また、古代ローマ時代にも「ガルム」や「リクアメン」と呼ばれる魚醤(ぎょしょう)があったと記録に残っているそうですよ。これはイワシやニシンを使用したもので、今でいうアンチョビなどはその名残とも言われています。
うま味の歴史は奥深く、人類とともに根付いてきた文化だということに気付かされますね。
体に悪いと言われる理由は過去のイメージにある
うま味調味料が「化学調味料」と呼ばれ体に悪いと言われる理由は、過去のイメージにあります。
一番の大きな理由は、公共放送の料理番組で商品名(登録商標)を出すのを避けるために表現された言葉がキッカケとなり、「化学調味料」という言葉が広く使われるようになったことがそもそもの始まりと言えるでしょう。
言葉が一人歩きをしてしまったために、今でもいいイメージがない結果となっているのかもしれません。
しかし「うまみ調味料」は普段の料理に使う分には問題ありませんし、一度に使う量を守れば過剰摂取にもなりません。とはいえ、それでもやはり不安に感じる人もいるでしょう。
噂やイメージに捉われず、何が真実なのかをしっかり見極める目を養わなければなりません。
安心で美味しい料理を楽しむためにも、健康を気遣った食卓を囲みたいものですね。
うま味調味料の危険性とは?美味しさと安全を両立する方法
うま味調味料が危険であるというネガティブなイメージがついたのには次のような理由があります。
- 人工的な物質を使っているというイメージ
- 消費者のイメージがバラバラで不明確
- 化学物質への不安と相まってネガティブなイメージになった
参考:「うまみ調味料協会 うま味調味料その歴史と有用性について」
うまみ調味料は、今では国際機関によって安全性も認められており、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」と並ぶ「基本味」の一つなのです。
しかし、そうはいってもうま味調味料ばかりに頼るのも不安、という方もいるでしょう。
わたしもその一人であり、子どもには普段からなるべく自然本来のものを口にしてもらいたいと考えています。
うま味調味料の安全性が認められているとはいえ、食材本来の味を知り、素材の彩りなどを認識できる力を小さい頃から養っていきたいものですね。
例えば、昆布から出汁を取るなど自然素材を使うのが何より良い
うま味調味料は、忙しい現代人にとって便利に使えるアイテムです。
ひとふり加えるだけで味がきまるので、魔法のようで頼もしい存在ですね。
しかし食材が原料とはいえ、例えば昆布から直接とった出汁は心も体も満たされる「うま味」を感じられませんか?
昆布出汁でありませんが、我が家は子どもがコンソメスープ好きなのでよく作ります。手羽先や野菜をコトコト煮込んで時間をかけて作ると、「おいしい!」と言ってたくさんおかわりをしてくれるのです。
鶏肉の骨や野菜から出た「うま味」は格別で、塩をほんの少し加えるだけで素材本来の味を楽しめます。離乳食の時期はスープのみでしたが、今でもずっと作り続けていますよ。
時間がないときには「うまみ調味料」を使いますが、食材本来の味には負けるなと感じます。
そうはいっても、日々の食事で一から出汁を取って料理するのは大変ですよね。そういったときには、無添加の食卓サービスを利用するのも一つの方法です。
成長盛りのお子さんが口に入れるものには、極力気を付けてあげたいというのが親の本心ですよね。
こうしたサービスを利用すれば、子どもに安心なものを食べさせてあげられ、さらには料理の時間も省けるので一石二鳥にもなります。
おすすめなのが、徹底的に”添加物不使用”にこだわった『シェフの無添つくりおき』。
週替わりで作りたてのお惣菜を冷蔵でお届けしてくれるサービスです。
「調味料(アミノ酸等)」といった食品添加物は一切使用しておらず、豆腐を固めるにがりやこんにゃくを固める水酸化カルシウムしか添加物の使用を許可していないという徹底ぶり。
毎週お届けするサービスですが、予定に合わせて配送スキップも可能。食事の準備は調理だけでなく買い物や献立決め、片付けなどマルチタスクの塊です。その上、食品添加物を使用しているかのチェックとなるとかなりの労力がかかります。
食材費以外にも見えないコストがかかっているからこそ、こういった便利なサービスをぜひ活用してみる価値はあると思います。
まとめ
「化学調味料」と「うま味調味料」は同じ意味であり、その原料はさとうきびやとうもろこしなどの食材から作られています。
母乳にもうま味成分が含まれていること、世界にもたくさんの「うま味」が存在することが分かりましたね。
過去には化学調味料という名前からネガティブなイメージがついてしまった「うま味調味料」ですが、国際機関でも安全性が認められているため使用にあたり過剰に心配する必要はありません。
しかし、素材本来の味を子どもに食べさせるのは食育の面でもとてもよい試みです。
忙しい中にも、一緒に作って味の違いを比較してみたり、素材のうま味にこだわった食卓サービスを使ってみたりといろいろと「うま味」について追及し試してみるのもいいのではないでしょうか。
共働きが当たり前になりつつある今、家事代行や宅配サービスも豊富にありますので、それらもうまく活用しながら食事についてあらためて考えてみましょう。