現役の保育園栄養士がお伝えします!夏に向けて、子どものお弁当作りで気をつけたいこと

蒸し暑い季節がやってきました。
梅雨から夏にかけて、湿度と気温が上がってくると、食べ物が傷みやすくなります。

特に子どもは、消化器官も発達段階で、大人に比べて免疫力も低いため、注意が必要です。

保育園の栄養士であり二児の母である私も、夏場の食事作りでは、いつも以上に衛生面に気を遣います。
お子様の幼稚園や習い事用に、お弁当作りをされる方もいらっしゃると思います。

ここでは、夏に向けた、子どものお弁当作りに関するポイントをまとめてみました。

 

 

食中毒予防の基本

食中毒予防の基本は、菌を「つけない」、「増やさない」、「やっつける」ことです。

これをお弁当作りでいうと、まずはお弁当箱のフタを閉めるまでに、いかに菌が入らないようにするかです。清潔な状態で食材を扱うことで、菌をつけないようにして、十分に加熱調理することで、菌をやっつけます。

次にお弁当箱の中で、いかに菌を増やさないようにするかです。菌が喜ぶ温度、湿度、栄養、酸素がそろっていると、菌は増えていきます。この中で、最もコントロールしやすいのが、温度です。一般的に、20℃を超えると菌が繁殖しやすくなり、30~40℃は最もリスクが高まります。この状態をできる限り短くすることがポイントになります。

清潔な調理環境を用意する

食中毒を防ぐには、まず調理環境を清潔にすることが基本です。

調理前に手洗いをしっかりして、清潔な調理器具と容器を用意するところからスタートします。包丁やまな板、菜箸などは、食材を加熱する前と後で使い分けるのがベストです。すべてを使い分けることは難しいと思いますが、特に生ものを扱うときは注意してください。加熱後の盛り付けに使う菜箸やトングなどは、専用の物を用意すると良いでしょう。

傷みやすい食材と扱い方

生野菜

レタスやきゅうりなどの生野菜はとても傷みやすい食材です。夏場のお弁当には、極力使用しないようにしましょう。

ミニトマトも避けたほうが無難ですが、入れるなら必ずヘタを取ってから!
ヘタは菌が多い部分なので、ヘタを除いた後も、よく洗って、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を取り除いてから入れるようにしましょう。

水分が多いおかず

煮物など、汁気のあるおかずは、キッチンペーパーなどを使って水分を切ってから入れるようにしましょう。

ゆで野菜だったら、かつお節やすりごまなどを和え衣にすると、ほどよく水分を吸い取ってくれます。
ごまは、より水分を吸着しやすいすりごまがおすすめです。

例えば、ブロッコリーのごま和え。少量のお湯で塩ゆでし、ザルにあげて粗熱(あらねつ)を取ったら、醤油とごま油で味付けした後、たっぷりのすりごまにまぶします。

また、温かいごはんも、水分をたっぷり含んでいます。
おにぎりをラップなどで握った場合は、水滴が残って傷みやすいため、新しいもので包み替えるようにしましょう。

加工食品や、卵を使ったおかず

ソーセージやちくわなどの加工食品は、本来そのまま食べられるもの。でも、実は傷みやすい食材です。
お弁当に使う場合は、必ず熱を通し、よく冷ましてから入れるようにしましょう。

また、卵を使用したおかずは加熱具合がポイントです。
半熟はNG!卵焼きやゆで卵を入れるなら、十分加熱しましょう。

殺菌効果のある食材を使う

お弁当作りには、殺菌力のある、梅干しやお酢を使うのも効果的です。

お米を炊くときに、少量のお酢や梅干しを加えると、ごはんの保存性を高めることができます。

梅干しは、ごはんの上に乗せるなら、一箇所に置くよりも全体に混ぜるのが◎です。
殺菌力は、梅干しの周りにしか届かないためです。

また、減塩タイプやはちみつ漬けのものよりも、保存性が高い、昔ながらのしょっぱいものが良いでしょう。

しっかり加熱して、すぐに冷ます

どんな食材も、中心までしっかりと火が通るように十分な加熱調理をしましょう。

特に肉や魚は生焼けになりやすいので要注意です。
薄切りの肉でも、加熱して丸まっていると、中まで火が通っていないケースもあります。
カットして、断面の色から加熱具合を確認すると良いでしょう。

前日に作っておいたおかずを詰めることもあると思います。
その場合は、必ず再加熱しましょう。

また調理後の食品は、すぐに冷却することが大切です。
加熱後、自然に冷めるのを待っていると、菌が増えやすい温度の時間が長くなってしまうからです。

そこでおすすめなのが、アルミホイル+大きめの保冷剤です。
アルミホイルにおかずを乗せて、ホイルごと保冷剤の上に置くと、短時間で冷ますことができますよ。

調理後、素手で触らない

加熱後に冷ますときも、お弁当箱に詰めるときも、清潔な箸やトングを使いましょう。
せっかく加熱調理しても、その後に素手で触ってしまうと、菌がつくリスクがあるからです。

おにぎりを握るときも、素手ではなく、ラップやクッキングシートなどを活用しましょう。

保冷剤+保冷バッグの活用

食品が傷みやすい時期のお弁当には、保冷剤と保冷バッグが必須アイテムです。

冷気は高いところから低いところへ流れるため、保冷剤はお弁当箱の上にセットします。
2段弁当なら、保冷剤を2個使って、下の段のお弁当箱にも冷気が当たるようにすると良いですね。

保冷バッグは、お弁当箱にフィットする小さめのサイズも売られていますよ!
可愛らしいイラスト柄のものもあるので、お子様と一緒に選ぶのも楽しいですね。

まとめ

温度も湿度も上がってくる季節は、おうちのごはんも、お弁当も、食中毒を防ぐための工夫が必要になってきます。

きれいな手と道具で調理して、しっかり加熱後すぐ冷ます、といったポイントを抑えて、安全かつ楽しく夏を乗り切りましょう!

 

 


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