しょうゆは火入れの違いで味わいが変わる?生(き)醬油と生(なま)醤油の使い分けでワンランク上の食卓を!
同じ漢字でも読み方の違う、生(き)醤油と生(なま)醤油の違いが分かりますか?違いが分かる方は料理通の証です。
両者の違いは、火入れの有無です。微生物の働きにより作られる発酵食品のお醤油は、加熱し微生物の働きを失活させてから、市場に出ます。
お醤油の種類も多くなり、それぞれの違いや使い方をご存知でない方も多いのではないでしょうか?料理の基本調味料の一つであるお醤油にこだわってみませんか?
今回は、「火入れをする生(き)醤油・火入れをしない生(なま)醤油」を詳しくご紹介します。
<目次>
小麦はなぜ使う?しょうゆの原材料や香りの違いを解説!
まず、醤油は何から作られるかご存知でしょうか?
基本的な材料はこちらです。
- 丸大豆または脱脂加工大豆
- 小麦
- 塩
とてもシンプルな材料だけで醤油は作られます。
醤油の種類により、水飴・みりん・アミノ酸・保存料などを加える場合もあります。甘い醤油を使う九州地方のお醤油は、砂糖・ブドウ糖・ステビアなどの甘味料を足して作られます。
主原料の大豆は2種類あります。販売されている醤油の多くは、大豆油を絞った後の大豆です。油分がなく、豊富なタンパク質が残った大豆を、醤油用に加工したものが脱脂加工大豆です。
それぞれのポイントをご紹介します。
味 | 香り | 生産量 | 価格 | |
---|---|---|---|---|
丸大豆 | まろやか | 良い | 少量 | 高い |
脱脂加工大豆 | すっきり | 強い | 大量生産できる | 安い |
主流の脱脂加工大豆は、加工しやすく旨味があります。醤油の美味しさには、窒素の数値が関係しています。窒素の数値が高いほど旨味のある醤油となります。窒素指数は、脱脂加工大豆の方が丸大豆より高いです。
一点懸念されているのは、大豆の油を搾る際に使用する溶剤の「ヘキサン」です。ヘキサンとは、石油由来の溶剤でガソリンのようなにおいがします。圧搾だけでは必要な油が取れないので、ヘキサンで油分を溶出します。毒性がありますが、加工後にはヘキサンの成分は残らないと言われています。ですが、石油由来の溶剤が使用されている原材料です。気になる方も多いでしょう。
小麦はなぜ使う?その働きとは?
醤油づくりには小麦はとても重要な働きをしています。なんと、醤油のうま味の1/4は小麦から作られています。
その理由は、小麦に含まれているでんぷんとタンパク質です。
- ・でんぷんの働き→酵素の働きでブドウ糖に分解され。醤油の甘味・コクになる。
- ・タンパク質の働き→酵素の働きでアミノ酸に分解。うま味の元となる。
小麦を含まないグルテンフリーのお醤油も数多く販売されています。たまり醤油は、小麦を使用せず大豆・塩・麹のみで作ります。(メーカーにより違う)
熟成期間1年と長いたまり醤油は、コクのある味に仕上がります。小麦アレルギーの方は、グルテンフリー表示のお醤油が安心です。
生(き)醬油と生(なま)醤油の違い
同じ漢字でも読み方の違う生(き)醤油と生(なま)醤油ですが、明確な違いがあります。
それは火入れの有無です。
火入れ | ろ過 | |
生(き)醤油 | 〇 | 〇 |
生(なま)醤油 | × | 〇 |
醤油は微生物の働きにより作られます。発酵を促す微生物を、火入れの作業で活動を失活させます。
生(き)醤油とは
「生(き)醤油と呼ぶものは塩の添加まで」と、JAS法により定義されています。
- ・原材料が、大豆・小麦・塩のみ
- ・他の成分が添加されていない純粋な醤油を指す
- ・火入れとろ過の工程がある
生(なま)醤油とは
火入れを行わない生(なま)醤油は、ろ過で微生物などを取り除き殺菌します。また、生(なま)醤油は読み仮名表示をする決まりになっています。
- ・原材料は大豆・小麦・塩・アルコール
- ・加熱すると香りが立つ
- ・火入れ作業を行わない
空気の入らないエアレスボトルの生醤油も販売されていますが、酸化により風味が落ちてしまいます。
開栓後は、日の当たらない場所で保管しましょう。
似ている名前でも違う点が多い生(き)醤油と生(なま)醤油。それぞれの良さがあるので、購入の際はラベルと原材料を確認しましょう。
しょうゆは何種類?火入れで風味を変える
20種類以上のお醤油が並んでいるスーパーもあり、それぞれの違いが分かりにくいです。また、醤油を料理によって使い分けているご家庭は少ないのではないでしょうか?
自宅にあるお醤油は1種類しかないというご家庭が多いと思いますが、醤油の種類や違いを知れば、さらに料理が楽しくなるでしょう。
種類 | 原料 | 塩分濃度 | 主な生産地 | 特徴 |
濃口醬油 | 大豆・小麦・塩 | 16~17% | 全国 | 使いやすく万能。 醤油の出荷量の8割以上を占める |
淡口醬油
(うすくち) |
大豆・小麦・塩 水飴など | 18~19% | 全国 | 関西生まれの醤油。濃口醤油より少し塩を多く使用。素材の色を映えさせる。 |
たまり醬油 | 大豆・塩・(小麦) | 16~17% | 愛知・三重・岐阜 | 熟成期間が長く、とろみと色の濃さが特徴。小麦を使用するメーカーもあり。 |
再仕込み醤油 | 大豆・小麦・塩 | 12~14% | 中国・九州 | 山口県柳井地方で生まれた。食塩水ではなく醤油で仕込むので、再仕込み醤油と呼ぶ。 |
白醤油 | 小麦・大豆・塩 | 17~18% | 愛知 | 愛知県で生まれた。最も薄い色の醤油で甘みがある。塩分濃度は濃いくちとほぼ同じ。 |
種類は全部で5つあります。JAS規格により分類されており、それぞれ味・色・塩分濃度など違います。
一般的な醤油の濃口は、大豆と小麦の割合が1:1です。色の薄い白醤油は、小麦の割合が多くなり、甘さがあります。
また、地域によっても醤油の種類は変わります。魚を原料にした魚醤や、特産の牡蠣のエキスを使用した牡蠣醤油などもあります。
生(き)醤油と生(なま)醤油の使い分けは?こだわるほど美味しくなる使い方
生(き)醤油と生(なま)醤油は、どのような料理に合うのでしょうか?作り方が違うのなら、使い方も違うのか気になります。
まず、どちらのお醤油も調理法にこだわらず美味しく使えます。醤油本来の味を楽しむことができます。
おすすめの使い方としては、他の調味料が入ってない生(き)醤油であれば、コクがあるので煮物や照り焼きにおすすめです。
生(なま)醤油は、お刺身・冷奴・漬物・麺類など、素材の味を楽しみたい料理におすすめです。ですが、加熱すると香りが立つので炒め物にも合います。
好みもあるので、味比べしながら美味しいお醤油を探してみてください。
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