【最新】日本の教育課題と今後の方向性は?フィンランドの事例もご紹介
日本の学校教育は、これまで高い学力を維持してきましたが、同時に様々な課題にも直面しています。
この記事では、日本の学校教育の特徴や課題に加え、教育先進国であるフィンランドの教育事情にも注目しました。
最新の教育政策であるGIGAスクール構造についても触れ、日本の教育が直面する課題とその解決策について探っていきます。
日本の教育がどのように変わりつつあるのかを解説します。
日本の学校教育の特徴
日本の学校教育の特徴は「日本型学校教育」と呼ばれ、「知・徳・体を一体で育む学校教育」と定義されています。
包括的な教育が行われ、教育レベルは世界的に見てもとても高いのが特徴です。
OECD(経済協力開発機構)の平均でも日本の学力は常に上位であり、質の良い教育は成功を収めていると言えるでしょう。
PISA2022年度調査の国際比較では、以下のような結果が出ています。
数学的リテラシー | 5位 |
読解力 | 3位 |
化学的リテラシー | 2位 |
参考:文部科学省「2022年度調査国際結果のポイント、問題例」
この結果からは、日本の教育が世界でもトップレベルにあることが分かります。
日本は、礼儀正しく勤勉な人が多いといったイメージがあると思います。
この背景には、集団生活の中で規律を守ってきた日本の学校教育が根底にあると言っても過言ではありません。
日本の学校教育は諸外国にはない多くの「強み」を持っています。
しかし一方で「弱み」があるのも事実です。
では具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
日本の教育に見られる4つの強み
まずは、日本の学校教育の強みから見ていきましょう。
- 学力の高さ
- 協調性を育む
- 特別活動が日常的にある
- 教員による授業研究
掃除や係活動、給食が毎日のようにある日本は、集団生活の中で協調性が自然に育まれます。
学びの環境が自然に整い、生徒も教師も互いに良い状態で授業に取り組めるのは、とても重要なことです。
諸外国からも高い関心が寄せられており、日本を見習い掃除など導入した国もあるほど。
日本人ならではの真面目さや勤勉さも、日本の教育を受ける中で養われてきたことが伺えます。
また先生同士が互いの授業を研究し合うことで、相乗効果やよりよい授業の方向性を生み出します。
これらはどれも、日本の教育の強みと言えるでしょう。
日本の教育に見られる3つの弱み
続いて、日本の学校教育の弱みをみていきましょう。
- 同調圧力がある
- 受動的な授業
- 自己肯定感が低い傾向にある
協調性は、強みでもある一方で弱みにもなります。
「みんなと同じでなければ」という考えが先行して「他者との違いや個人を尊重する」といった考えが埋もれてしまいがちです。
足並みを揃える教育スタイルは、結果として個人の才能を伸ばしづらくしてしまいます。
現に窮屈な思いをしながら過ごしている子どもたちがいるのも事実。
日本人の自己肯定感が低いと言われる一因は、こうした背景があるとも考えられます。
またインプットばかりでアウトプットの少ない受け身の授業スタイルも、弱みと言えるでしょう。
課題が山積みの日本の教育
日本の教育は転換期を迎えている分、課題も多くあります。
独自のスタイルで確立されてきたため、良い部分も悪い部分も含め、見直しやブラッシュアップが必須です。
受動的な教育により、自分の考えや思いを発言する機会が少ないのも大きな課題のひとつ。
具体的にはどういった課題があるのか、さっそく見ていきましょう。
具体的な課題3選
具体的な課題には、次のようなものがあります。
- 多様化する子どもたちへの理解と配慮
- いじめや不登校の増加
- 一方的な授業スタイル
社会も人も多様化する時代だからこそ、現代に生きる子どもたちへの理解と配慮が必要です。
いじめや不登校なども含め、これまで以上に子どもを軸にした教育への取り組みが日本の教育にも求められています。
詰め込み教育の結果、自分の意見や考えを伝えるのが苦手で社会に出てからも苦労する人が多いのは、これまでの日本の教育問題に起因しているところが大きいでしょう。
先生ばかりが話す一方的な授業スタイルは、子どもの考える力を阻害します。
これは日本の抱える教育問題で、深刻な課題のひとつでしょう。
根底にある問題3選
根底にある問題には、次のようなものがあります。
- 自然体験の減少
- 体力低下
- 所得の違いによる教育の差
現代の子どもたちは、習い事などで日々多忙な生活を送っています。
いくつも習い事を掛け持ちしている子は、普段あまり遊ぶ時間がないかもしれません。
要因は習い事に限りませんが、昔よりも自然との触れ合いが減り子どもたちの体力の低下が問題視されています。
また、日本では多くの家庭で相当額を塾などの学習費に支出しています。
所得の違いで学力差が出ることも指摘されていて、教育の格差が深刻化しています。
間接的な問題2選
間接的な問題には、次のようなものがあります。
- 理数系が好きな子どもの減少
- 学校名や偏差値を重視する風潮
理科や算数が楽しいと感じる生徒の割合が、以前に比べて低くなってきているという統計もあります。
苦手意識を取り除き、理数教育の底上げと強化が必要と言えそうです。
また、「良い高校や良い大学へ入学することが目的」となっているケースがまだ多いことも問題のひとつです。
今は偏差値や学校の名前ではなく、人材としての価値が高い人ほど求められる時代に突入しています。
今後も、この考えは加速していくでしょう。
目まぐるしく変化する時代を察知し、子どもを基準に学びたいことを学べる環境にしてあげられるのが良いですね。
フィンランドにおける教育の現状は?
課題や問題を抱えながらも世界的には教育レベルの高い日本ですが、諸外国の教育事情も気になります。
ここでは教育先進国であり、トップクラスを誇るフィンランドの教育事情に焦点を充て見ていきましょう。
フィンランドは、世界で初めて教育費の無償化がされた国です。
教育の特徴をくわしく見てみると、
- 子どもは全員平等に学べる権利がある
- 大学まで授業料が無料
- 給食費が無料
- 生徒主体の授業スタイル
- 日本より授業日数が少ない
- 留年はマイナスイメージではない
- クロスカリキュラムを積極的に導入
- 教員同士の競争意識が高い
世界でもトップクラスと言われるフィンランドの教育。
その大きな特徴は「子どもの平等が確立されている」ということです。
日本でも教育を受ける権利があるのはもちろんですが、意味合いが少し違います。
フィンランドは大学まで授業料が無料なため、所得による教育の差はありません。
子どもが学べるフィールドは、常に平等なのです。
それは大切な権利として存在し、「教育の中心は子ども」という考えが社会全体に浸透しています。
その結果、高水準の教育が成り立っているのです。
また、日本で「留年」と聞くとネガティブなイメージがありますが、フィンランドではこの考えはありません。
小学生でも留年することがありますが、「個人を尊重し、その子に寄り添った方法で教育する」という表れなのです。
子どもを中心に、個々のレベルに合わせることに重きを置いている結果と言えるでしょう。
また、子どもにとって「教師」は憧れであり人気の職業。
授業の内容も自治体や国に決定権があるのではなく、それぞれの教師の裁量により行われています。
生徒の自主性や考える力を重んじ、受動的ではなく能動的な学びを進んで取り入れています。
ひとつの教科のみでなく、複数の教科と連携して実践的な学びが得られる「クロスカリキュラム」の導入も積極的。
その他、教育レベルを支える重要なメソッドに「マインドマップ」教育もあります。
子どもたちの発想力を高め、思考訓練にもなる教育法を模索し、いいものはどんどん取り入れていくスタイルがフィンランドの教育となっています。
問題点は解決へ?GIGAスクール構造がスタート
日本はこれまでの教育における問題点を見直し、新たにGIGAスクール構造というものをスタートさせています。
GIGAスクール構造とは、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準です。
多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育 環境を実現する(後略)
ハイブリッドな教育環境を整え、ひとりひとりに最適化された教育の実現を目指すのが、GIGAスクール構造です。
この取り組みは、
- 学習状況に応じた学び
- 受け身でなく能動的な学び
- ITやプログラミングの理解の促進
- 教員の業務効率化
- 学習方法の多様化
など、あらゆる教育面でメリットがあると言われています。
学習状況に応じた学びは、個人のレベルに合わせることが可能となり、自主的な学びは課題を解決する力を身に着けられます。
情報端末を使ったプレゼンの発表などを通して、相手に意見を述べる機会も増え、子どもたちの学びの環境はより良い方向へ進むでしょう。
実際にわたしの子どもも、タブレットを使って調べ物やプレゼン資料を作成し、それを元に学校で発表などを行っているようです。
タブレットは頻繁に使用し、自分の考えを求められたりクラスメイトと意見交換をし合ったりして、考える授業が増えてきたと話していました。
子どもとの日々の会話から、ハイブリッドな環境が整うことでこれまでの教育から徐々に変化してきているなと肌で感じています。
学習方法が多様化すると、自然と視野も広がります。
また子どもの側だけでなく教員の業務効率化にも一躍を担ってくれるのもメリットのひとつですね。
コロナ禍を経て、数年でGIGAスクール構造の配備は整いました。
日本は新たな教育のスタート地点に立ち、進み始めたのです。
まとめ
学力の高さや包括的な学びにより、これまで成功を収めてきた日本の教育。
しかし、同調圧力や受動的な学び、自己肯定感が低いなど弱みも抱えてきました。
いじめや不登校などの課題もあります。
一方フィンランドは、「子ども主体」の授業で高水準の教育が維持されていて、日本とは違う形が確立されていました。
日本の教育はGIGAスクール構造という新たな教育が整備され、既にスタートを切っています。
今後は教育の多様化や個別最適化、生徒自ら行う能動的な学びの促進など、よりよい教育環境が進んでいくでしょう。
これまでの教育がブラッシュアップされ、新たな学びを始めた子どもたち。
自己肯定感を高く持ち、自信を持って社会に羽ばたけるような教育が日本でより一層進んでいくことを願いたいですね。
子どもの教育の基礎となるのは、日々の食事や健康です。
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