大切にしてほしい!産後ママのごはん
お産や産後ケアの女性に向けた食事作りをしていると、
「汁物がアツアツで嬉しい!」
「こんなにしっかりごはんを食べられたの久しぶり!」
「産後ケアを受けている間に、便通が良くなった」
といった、食事自体や、体調の変化に関する声が寄せられてます。
産後ママは自分の体調回復のため、授乳中の人は母乳を通して赤ちゃんに栄養を届けるためにも、意識して食事をすることが大切です。
でも実際は、赤ちゃん中心の生活に追われ、自分はまともに食べることも難しくなってしまいがち・・・。
ここでは、そんな産後ママの食事の重要性と、簡単に栄養を補うポイントについて、助産院で食事作りをしている栄養士の視点からお伝えします。
<目次>
産後ママにとって大事な栄養
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」では、産後の女性に対して、妊娠前よりも、次のような栄養を意識して増やすことが推奨されています。
エネルギー +350kcal/日
たんぱく質 +20g/日
鉄 +2.5mg/日
ほかに、ビタミンA、B1、B6、B12、葉酸、ビタミンCなども、妊娠・出産期ではない女性に比べて推奨量が多くなっています。
また、カルシウムと食物繊維も、意識して摂取したい栄養素です。
カルシウムは、妊娠中は胎盤を、産後は母乳を通じて赤ちゃんに届けられ、産後の女性は一時的に大きく低下しやすいです。
食物繊維は、妊娠期から産後にかけて悩まされる女性が多い、便秘の改善につながるので、積極的に摂るようにしましょう。
食べやすさを重視しよう!
産後は、昼夜問わず赤ちゃんが泣いていて、おむつ替えや授乳をしたり、ミルクをあげたりする必要があります。
長時間抱っこした末、やっと眠っても、下ろした瞬間に泣き出す、なんてこともしばしば。
なかなか赤ちゃんから離れづらい状況のため、抱っこしたままだったり、授乳しながらだったりしないと、ママは座ってごはんを食べるのも難しくなってしまいます。
そこで、産後ママのごはんは、食べやすさがポイントになります。
片手でも、
すぐに、
まとめて複数の栄養が摂れる
これなら、赤ちゃんを抱っこしたまま、あるいは家事をしながらでも食べられると思います。
また、簡単に栄養を取るには、ちょい足しがおすすめです。
【ちょい足ししやすい食材例(常温保存可)】
鉄分 | ちりめんじゃこorしらす、いりごま、青のり、あおさ、かつお節、きなこ、ねりごま |
カルシウム | ちりめんじゃこorしらす、いりごま、青のり、あおさ、ねりごま、切り干し大根、ヨーグルト |
食物繊維 | 青のり、あおさ、きなこ、いりごま、ねりごま |
ここからは、ママ向けの簡単おすすめメニューを3つご紹介します。
ママに栄養!炊き込みごはん
たんぱく質、鉄分、ビタミンB群、カルシウム、食物繊維を補給できるごはんです。
片手で食べやすい小さめのおにぎりにして、冷凍ストックしておくと、すぐにレンジでチンして食べられるので便利です。
寝ている子どもを抱っこしながら、音の出るレンジを使うときには、あたためスタートした後レンジから離れておくと、起こしてしまうリスクを下げられます。
ちょい足し食材に雑穀ミックスを入れることで、食物繊維などの栄養をさらにUPできます!
卵を割り入れて卵かけご飯にしたり、チーズを入れて味に変化を付けたりしても美味しいですよ!
【材料】(作りやすい分量:3合炊いて冷凍しておく場合)
- ・白米 3合
- ・雑穀ミックス 大さじ3
- ・ひじき 大さじ2
- ・切り干し大根 20g(1/2袋)くらい
- ・水 切り干し大根の戻し汁と合わせて3合分
- ・ツナ缶 1缶、または、しらす 50gくらい※
- ※ ちりめんじゃこ、サバの水煮缶でもOK
- ・醤油 大さじ1
- ・青のりまたはあおさ 大さじ2くらい
- ・桜えびまたはアミエビ 適量
【作り方】
- 1.白米を洗い、水を切っておく
- 2.ひじき、切り干し大根をさっと洗い、たっぷりの水で戻す
- 切り干し大根は戻し汁を取っておく(旨味だしとして使うため)
- 3.炊飯器の釜に白米、雑穀ミックスを入れて、2の切り干し大根の戻し汁、水をあわせて3合分入れる
- 4.3に、ひじき、切り干し大根、ツナ缶、醤油を入れて炊飯する
- 5.炊きあがったら、よく混ぜて、青のりや桜えびを散らしたら完成
離乳食・幼児食にも!野菜たっぷりポタージュ
ブレンダーがあれば、お鍋1つの中で完成しますし、
たくさん作ったら、ジップ式の袋で冷凍ストックできるので、食事の準備が楽になって、食物繊維も取れる、お助けアイテムになります。
離乳食や幼児食としても食べられるので、赤ちゃんが少し成長してからや、上の子どもがいる家庭でも取り分けしやすい1品です。
【材料】(作りやすい分量)
- ・じゃがいも 小さめ2個、または大きめ1個
- ・玉ねぎ 小さめ1個
- ・好みの野菜(キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、人参など) 適量
- ・塩 少々
- ・水 1/2カップ(野菜が浸るくらい)
- ・コンソメだし 1つ分
- 塩こうじ小さじ2(なくてもOK)
- 牛乳または豆乳 500mlくらい
【作り方】
- 1. じゃがいもは皮をむき適当な大きさにカットして水にさらしアクを取る
- 2.その他の野菜も、適当な大きさにカットする
- 3. 鍋に1,2、塩、水、コンソメだしを入れ、フタをし、中火にかける
- 4. 野菜が軟らかくなってきたら火を消して、塩麹を加え、ブレンダーで滑らかにする※
- 5. 牛乳または豆乳を加えて、弱火にかけ、沸騰する前に火を消したら完成
※ストックする分は、ここまでの段階で袋に入れて冷凍保存し、食べるときは解凍してから4の工程を行います
気分に合わせてトッピング!栄養ちょい足しヨーグルト
たんぱく質、鉄分、カルシウム、ビタミン類、食物繊維など、産後に摂りたい栄養をちょい足し補給できます。
相性のいい組み合わせから、その時の気分で組み合わせてみてください!
ちょっと甘いものが食べたくなった時のデザートにもおすすめです。
【材料】(作りやすい分量)
- ・プレーンヨーグルト
- ・きなこ&黒ごま※
- ・好みの甘み(はちみつ、甘酒、メープルシロップなど)※
※ほかに、生や冷凍フルーツや、ドライフルーツも!
ドライフルーツは、できれば半日くらいの間、ヨーグルトに漬けておきましょう。
果肉が軟らかくなり、ヨーグルト全体に甘みが広がって、味わい深くなります。
※はちみつは、1歳未満の子にはあげないようにしましょう。
腸内環境の未熟な1歳未満の乳児は、はちみつにボツリヌス菌が混入していた場合、乳児ボツリヌス症にかかる恐れがあるためです。
【作り方】
- 1.プレーンヨーグルトに、好きなトッピングをする
- 2.好みの甘みを加えたら、完成!
産後ママをサポートしてくれる産後ケア
ここで紹介したように、自分で食事を用意するときの手間をなるべく減らしていくことも是非やってほしいですが、外部のサポートも積極的に活用しましょう。
お住まいのある自治体を通して、ママや赤ちゃんに対するケアをしてくれるサービスを受けることができます。
以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。
まとめ
産後ママの食事は、自分自身の体調回復を促し、赤ちゃんの健やかな成長のために、大切な役割があります。
ママのごはんは、できるだけ食べやすい形で、不足しやすい栄養素をちょい足ししながら食べられると良いでしょう。
また、安心素材で丁寧に作られている、作り置きおかずのセットをストックがあると、とっておきのご褒美ごはんになりますね!
周りにサポートを頼めるときは、ママがゆったりとした気もちで食事できる時間を、意識して作ってください。
特に「無添加」や「栄養バランス」にこだわりたいけど「作り置きをするのも大変…。」といった場合は、『シェフの無添つくりおき』というサービスを利用するのもおすすめです。
毎日の食事として、日々のご褒美として、いろんな使い方ができます。
毎週お届けするサービスですが、予定に合わせて配送スキップも可能。食事の準備は調理だけでなく買い物や献立決め、片付けなどマルチタスクの塊です。
食材費以外にも見えないコストがかかっているからこそ、あえて外注するのは手抜きでも無駄遣いでもありません。
ぜひお試しください。