子どもの成長をサポートする「こども誰でも通園制度」を現役保育園栄養士が解説

私の勤務する保育園では、週1回から、どんな理由でも、未就園児の子どもなら誰でも通うことができます。

子どもたちは、定期的に保育園で過ごすことで生活リズムが整い、月齢の近いお友達との関わり合いから、様々なことを体験して成長していきます。

そして、食事面では、うちでは食べる量が少ない、食事中にすぐ立ち歩いてしまう、といった子が、保育園で変わっていく姿をたくさん見てきました。

家で過ごすだけではなく、保育園など家の外で家族以外と関わって過ごす時間を持つことは、子どもにとって、とても価値があります。

そうした保育園に通うことで得られる価値を、全国で、子どもたちが誰でも得られるようにする制度が、2023年に閣議決定された「こども誰でも通園制度」です。

私の勤務先も夏前から試行的実施に参加しています。

ここでは、そんな「こども誰でも通園制度」について、保育園現場の様子を交えつつお伝えします。

「こども誰でも通園制度」は子どものための制度

本制度の最大の特徴は、子どもの成長に重きをおいている点です。

これは、保護者側の立場や都合によって子どもを預ける、従来の一時保育と大きく異なっています。

こども家庭庁は「こども誰でも通園制度」の意義について、「家庭とは異なる経験や家族以外の人と関わる機会が得られる」(※)ことを挙げています。

参議院常任委員会調査室・特別調査室  こども誰でも通園制度の創設と保育をめぐる議論 -子ども・子育て支援法等改正案の国会論議(1)

また、保育士などの専門スタッフが、子どもの良いところや成長している様子を伝えてくれることで、保護者に新たな気づきが生まれ、子どもとの関わり方を見直すきっかけにもなります。

それを実現するために、この制度では、親の状況に関わらず、すべての子どもが保育園などを利用できるようにサポートしています。例えば、専業主婦としていつも家庭で保育をしていても、子どもが保育園など(※)で過ごすことができます。その際の費用負担も、自治体を通して国が補助をしています(2024年度は利用者負担額が1時間当たり300円程度に抑えられています)。

※認定こども園、幼稚園でも実施されています。

ただし、対象となる子どもは0歳6ヶ月から満3歳までで、2024年度は月に10時間までとされています(2025年度も月10時間の枠は変わらない見通し)。

1回からでも子どもは変わっていく

私の勤務先では、曜日ごとに登園してくる子どもたちの顔ぶれが異なっています。

できるだけ曜日を決めて、定期的にかつ継続して登園してもらうことで、子どもたちは規則的な生活リズムを体得していきます。

個人差はありますが、1~2ヶ月も経つと、ママ・パパから離れても泣かなくなり、子どもたちは先生の抱っこや膝の上から離れ、落ち着いて過ごせるようになっていきます。

こうして保育園が安心できる場所になってくると、自分の好きな遊びに没頭するだけでなく、先生やお友達と関わりながら遊べるようになっていきます。

このように、子どもが家庭から離れ、家族以外の人と過ごすことは、まず子ども自身にとって、そして保護者にとっても、大きな価値をもたらします。

食の面でも見られる変化

食生活でも、保育園での生活を重ねていくうちに、様々な変化が見られます。

例えば、登園し始めた頃は、泣いてばかりいた子も、先生やお友達とみんなで食卓を囲み、人と食べる楽しさを体感していきます。

また、椅子からすぐに降りて立ち歩いてしまっていた子が、給食前には手を洗い、食卓へ移動したら、お友達と一緒に食事前の歌を歌う、といった流れを楽しめるようになっていきます。

他にも、お友達が完食して、「わー!お皿がピカピカだね!」と先生に言われるのを見て、思わず食材に触れたり、口元へ近づけたり、なめてみたり・・・。

苦手な食べ物が出ると手が出なかった子も、様々なメニューや調理法、お友達の様子から、変化が生まれる瞬間もあります。

ぜひ定期的な保育利用を!

前述のように、子どもにとって、保育園などに通うことには大きなメリットがありますが、一方で、現行の「こども誰でも通園制度」では月10時間という枠があるために、週1日、週2日と定期的に通うことが難しくなっています。

登園が月に数回だったり、不定期だったりすると、子どもが保育園になかなか慣れず、だいぶ慣れてきていても、しばらく間が空くことで、安定した園生活を取り戻すのに時間を要するようになってしまいます。

政府の「こども家庭審議会 子ども・子育て支援等分科会」というところでも、「細切れ利用によって保育が混乱したりとか、こどもと保育者の愛着形成が困難になっていたりとか、親との信頼関係の難しさというところもありますので、やはり定期的な利用をベースにしていただきたい」という意見が委員から出ています。(※)

※ 第7回 子ども・子育て支援等分科会 議事録

そのため、自治体によっては、現行の月10時間の枠に独自の上乗せをしていて、例えば、福岡市では、2024年度も月40時間まで利用できるようにしています。

週1日、週2日と定期的に通うことができれば、登園当初は、ママにしがみついて「帰る~!」と必死になっている子も、回を重ねていくと、涙が止まって「バイバイ」とママに手を振るなど、変化が見られるようになっていきます。

ママ・パパから離れ、保育園で定期的に社会体験の機会を持つことが、子どもたちの自信になっていきます。

まとめ

保育園などで先生やお友達と関わりながら過ごす時間は、家庭では提供できない価値を持っています。

定期的に通園する生活は、生活リズムが整い、人との関わり方を学び、食経験も広げるなど、子どもにとってメリットが多くあります。

働いていないから預ける理由がない、あるいは、ママが家にいるのに子どもを預けるのは可哀想、といったママ・パパ自身の考え方を変えると、子どもの成長にとって、より良い選択ができるのではないでしょうか。

同じように子育てに関する考え方をアップデートすることは、他の分野でも必要かもしれませんね。

 

なお、保育園を利用する前に知っておくと園生活がスムーズになりやすいと思うことについては、別記事に書いています。よろしければご覧ください。

 

 

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