いま注目されている「PFAS」とは?世界中で研究調査が進められている環境問題について学ぶ
近年、私たちの生活に密接する環境問題として話題になっている「PFAS」。
PFASは、人工的に合成された化学物質で、環境への影響だけではなく、体内に入ることで私たちの健康に影響を与えることが指摘されています。
現段階では、PFASの人体への有害性は不確実です。しかし、PFASは分解されることなく蓄積されるという性質をもつことから、水質などの研究調査は世界中で行われ製造や輸出入の規制に関する議論が進められています。
この記事では、PFASとは何か?近年行われている日本と世界のPFAS調査について、わかりやすく解説しています。
PFASとは?
PFAS(ペルフルオロアルキル化合物)とは、10,000種類以上あるといわれる有機フッ素化合物の総称で、人工的に合成された化学物質です。
PFASは、熱に強い、水や油をはじく、光を吸収しないといった特徴があります。これらの特徴を活かした製品は、2000年代はじめ頃までさまざまな工業製品や家庭用品の製造に利用されていました。
わかりやすい例として、焦げないフライパンや防水衣類、消火剤やコーティング剤、界面活性剤といった、私たちが日常的に使う製品があります。
現在、一部のPFASは環境・健康への影響に懸念があることから、日本を含む多くの国では製造・輸入等が禁止されているものもあり、日本で新たに作られることは原則ありません。
しかしながら、PFASは自然界で分解されることはほとんどなく、現在も環境中には残留していることがわかっており、全国で水質などの調査が行われています。
日本のPFAS規制
1万種類以上あるといわれるPFASのなかには、「PFOS」(パーフルオロオクタンスルホン酸)や「PFOA」(パーフルオロオクタン酸)「PFHxS」(ペルフルオロへキサンスルホン酸)のような健康への有害性が懸念される化学物質が存在します。
それぞれの特徴を活かして製造されていた製品には、
- ◼︎PFOS → 撥水剤や泡消火剤
- ◼︎PFOA → 食品包装紙やフッ素樹脂の製造、界面活性剤
- ◼︎PFHxS → 消火剤、研磨剤、金属加工、半導体製造
など数多くあります。
PFASによる健康への有害性は不確実で、明らかになっていません。その一方で、発がん性や脂質異常症、抗体反応の低下などを示唆する医学的な証拠もあり、人体への影響が懸念されています。
現在は、予防的な取り組みとしてストックホルム条約(POPs条約)に基づき、PFOSは2010年、PFOAは2021年、PFHxSは2024年6月にそれぞれ製造・輸入等が原則禁止となっています。
日本ではPFASが及ぼす健康への影響について、最新の科学的知見に基づく基準値等を検討しているところです。
とくに、水道水に関しては令和2年から全国で調査が進められており、水質検査をした1929ヶ所のうち42ヶ所で暫定目標値(50ng/L)を超過していたことがわかっています。
それと同時に、全国でPFASが検出されなかった水道水は富山県のみということも明らかになりました。
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▼シェフの無添つくりおきについて
参考:水道水におけるPFOS及びPFOAに関する調査の結果について
世界のPFAS規制
PFASの使用や輸出入規制への取り組みは世界中で行われています。PFASは私たちの健康や環境に密接したテーマであるとともに、各国の主要産業の分野においても重要な物質です。
このような背景もあってPFASに対する議論が活発になっています。
EUのPFAS制限案
EUはPFASの使用に関して、約10,000種のPFASを一括りにした製造・使用禁止を提案しています。
EUでは、化学物質は「REACH規制」によって登録・評価・認可され、制限を規制。2023年には、13種類のPFASが規制対象として登録されています。
2020年にEUではPFAS制限案を作成するための情報が集められ、約半年後には持続可能な化学物質戦略(Chemical Strategy for Sustainability)でPFAS制限について記されています。
2025年にはPFAS制限案が提出されて正式に施行される予定です。EUのPFAS規制によって、企業はPFAS使用方法の見直しや代替物質の開発が必要となるため、産業分野でも大きな影響を与えることになるかもしれません。
アメリカのPFASアクションプラン
アメリカでは、PFOSやPFOAについて1990年代後半から規制に関する議論が行われています。2000年代からPFASによる飲料水汚染対策が進められ、米国環境保護庁(EPA)は2002年にPFOS関連商品の生産を中止し製造・使用の制限を開始。
PFOAについては、その後使用中止を目標とした自主的な取り組みを求めるプログラムが開始されています。
2021年から2024年にかけては、EPAがPFAS Strategic Roadmapとしてアクションプランを発表して、PFASによる飲料水の汚染や健康に関する調査が戦略的に進められています。
アクションプランの一例として、
- PFASの代表的な物質に対する試験を製造業者に要請して評価する試験戦略
- 全米で飲料水に対するPFAS調査・分析の実施
- 化学物質を規制するTSCAへのPFAS登録や審査の管理を強化
など、30のアクションプランから、EUの一括規制とは対照的に、アメリカでは科学的根拠に基づくPFAS規制の策定を進めています。
PFASの健康・環境への影響と産業での必要性
PFASによる健康への影響に関して、2023年にWHOの傘下機関である国際がん研究機関(IARC)が、PFOAとPFOSの発がん性を評価しています。
PFOA is carcinogenic to humans (Group 1), on the basis of sufficient evidence for cancer in experimental animals and strong mechanistic evidence (for epigenetic alterations and immunosuppression) in exposed humans. There was also limited evidence for cancer in humans (renal cell carcinoma and testicular cancer) and strong mechanistic evidence in human primary cells and experimental systems (for epigenetic alterations and immunosuppression, as well as several other key characteristics of carcinogens).
PFOS is possibly carcinogenic to humans (Group 2B), on the basis of strong mechanistic evidence across test systems, including in exposed humans (for epigenetic alterations and immunosuppression, as well as several other key characteristics of carcinogens). There was also limited evidence for cancer in experimental animals and inadequate evidence regarding cancer in humans. WHO(IARC)サイトより引用
WHOは、PFOAの発がん性や免疫システムに関する十分な証拠があるということや、PFOSの発がん性の可能性を示唆する評価をしています。
PFASは、人体や環境に有害性があることを指摘されている一方で、医療や産業、エネルギーなどの分野では、その特徴を活かした製品作りに重要な役割を担っています。
そのため、健康や環境への有害性を示す科学的な根拠もなく、1万種類以上あるすべてのPFASに対して厳しい規制を設けることには反対意見も多数あり議論されています。
このような世界中で行われている研究調査と同様に、日本でもPFASは今後さらなる調査が進められるでしょう。
参考:PFOA と PFOS の発がん性評価(IARCモノグラフ)
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先述の通り、水道水に関しては令和2年から全国で調査が進められており、水質検査をした1929ヶ所のうち42ヶ所で暫定目標値(50ng/L)を超過していたことがわかっています。
それと同時に、全国でPFASが検出されなかった水道水は富山県のみということも明らかになりました。
弊社サービスの「シェフの無添つくりおき」では、富山県を製造拠点として無添加にこだわったお惣菜を作りお届けしています。今回の調査で、水質においても安心して皆さまにお惣菜をお届けできるということがわかりました。
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