【保育園栄養士がお伝えする】いざという時のために日頃から食べ慣れておくローリングストックと簡単レシピ

災害時に備えた非常食。気づいたら賞味期限が切れてしまった!なんてことありませんか?

そんな、しまった!を防いでくれるのが、ローリングストックです。

今回は、ローリングストックのポイントと、保存しやすい食品を使った簡単なレシピをご紹介します。

非常時でも作りやすいレシピなら、火を使わずにすぐできるので、子どもと一緒に作ることもできます!

ローリングストックなら、長期保存の必要なし

従来は、災害時に備えて、長期間保存できる食品を備蓄するのが主流でした。

でも、非常食を何年も待ってから食べようと思うと、いつか忘れてしまうかもしれません。そこで、1ヶ月など短いスパンで定期的に非常食を消費してしまって、都度、買い足していく、ローリングストックという方法が近年注目されるようになりました。

そうすれば、賞味期限が切れてしまった!という失敗も少なくなります。しかも、5年もつような食品でなくても、非常食になります。

また、普段から食べ慣れている物をストックすることで、慣れない物だと食べない可能性のある子どもでも、いざという時に食べられない、なんてことは避けられると思います。

もっと気軽に、普段からストック食品を食べるローリングストックを始めてみませんか?

主なストック食品例

(炊き込みご飯のアルファ化米の写真)

災害時の備えでは、最低3日分、水は飲用と調理用合わせて一人1日3リットルが必要といわれています。

家族の人数に合わせて、栄養とそれぞれの好みを配慮して、内容と量を決めましょう。

もし食べ物にアレルギーがあったら、原材料に含まれていない物を選ぶ必要があります。

個別にアレルギー対応の備蓄を用意すると安心ですね。

メニューは、できるだけ主食、おかずを組み合わせて考えましょう。

主食になるもの アルファ化米、レトルトのお粥・雑炊、シリアル、数ヶ月常温保存できるパンなど
おかずになるもの カレーやスープなどのレトルト、魚や肉の缶詰など

アルファ化米は、水(またはお湯)を加えてふやかすと食べられるお米です。特殊な加工をしてあるため、炊飯せずに比較的おいしく食べられます。

レトルトのお粥や雑炊と同じように、基本は1食分がパックされています。

シリアルだったら、常温保存できる牛乳や豆乳もストックしておくと食べやすいですね。

開封したら飲み切ることになるので、家族が同じタイミングで飲んだり食べたりして消費しましょう。

カレーやスープなどのレトルトは、八宝菜やガパオライスなど、様々なジャンルの商品が売られています。食べ飽きないように、何種類かストックしておくと良いですね!

これらの食品は、使用できるライフラインによっても、内容と食べ方が変わってきます。

もし卓上コンロがあったら、もっとレパートリーが広がります。

コンロがあれば、お米を炊飯したり、乾麺を茹でたりすることもできるので、上記の食品に加えて、無洗米やパスタなども常備しておくと良いでしょう。

災害時に停電してしまった場合は、まず冷蔵庫、次に冷凍庫の順に、保冷している物から優先して食べることになります。

このとき、卓上コンロで湯煎(せん)すれば、つくりおき惣菜を温かい状態にして食べることもできますね。

電気は比較的早く復旧するので、電子レンジも早めに使えるようになるかもしれません。

意識して取り入れたい栄養素と食品

非常時の食事では、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維は不足しやすいので、意識的にストック食品に取り入れるようにしましょう。

意識したい栄養素が摂れる食品例

たんぱく質 ツナ缶、サバ缶など魚介類の缶詰め、焼き鳥缶など肉の缶詰め、魚肉ソーセージ、充填豆腐、ドライパックのビーンズなど
ビタミン、ミネラル、食物繊維 切り干し大根、ひじき、海藻類、煮干し、かつお節、桜えび、

アミエビ、ドライフルーツ、野菜ジュースなど

魚介や肉を加工した缶詰は、味がしっかりついたものが多いので、他の食品に混ぜてアレンジしても食べやすい食品です。

切り干し大根は、水以外にも、野菜ジュースやツナ缶の汁で戻すこともできます。

缶詰や乾物を上手く組み合わせると、不足しがちな栄養素が摂りやすくなっておすすめです!

ここからは、不足しやすいたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が摂れる具体的なレシピを2つご紹介します。

1つ目は非常時、2つ目はライフラインに制限のない日常での消費を想定したメニューです。同じ食品でも、調理方法や味付けを変えると、違った一皿を楽しめますよ!

加熱不要!ポリ袋で完成!ひじきと豆のサラダ

非常時にも作りやすいサラダです。

混ぜるだけで完成するので、子どもも一緒に作れるといいですね!

【材料】(作りやすい分量)

  • ・ひじき 1缶(110g)
  • ・水煮大豆 1缶(120g)
  • ・すりごま 大2くらい
  • ・マヨネーズ 大2くらい
  • ・しょう油 大1くらい

※マグロやカツオの缶詰、や鶏のささみ缶などを加えても!

【作り方】

  • ポリ袋(またはボウル)にすべての材料を入れて、混ぜれば完成

※大豆は、そのままだと子どもは喉に詰まらせる心配があるので、半分以下のサイズにカットしたり、ポリ袋の外から潰したりすると安心です。

保育園では、奥歯が生え揃っていない2~3歳の子へ、あらみじん切りにして提供しています。

保育園の定番おかず!ひじきと大豆のさっと煮

ストック食品を日常で消費する、さっと煮るだけの簡単おかずレシピ。

保育園給食の中でも、子どもたちに人気の定番メニューです。

【材料】(作りやすい分量)

  • ・ひじき 1缶(110g)
  • ・人参 1/4本くらい(なくてもOK)
  • ・水煮大豆 1/2缶(60g)
  • ・ツナ 1缶(70g)
  • ・水 ツナ缶1杯分
  • ・しょう油 大1くらい
  • ・みりん 大1くらい

【作り方】

  • 1.人参を細切りにする
  • 2.鍋に、ひじき、人参、大豆、ツナ、水を加えて、中火にかける
  • 3.人参が柔らかくなったら、しょうゆ、みりんで味を整えて完成

※子どもが食べるときは、大豆を半分以下のサイズにカットすると安心です。

まとめ

食品を長期間保存する必要がないローリングストック。

不足しやすい栄養素が摂れる食品を意識的に選びつつ、日頃から食べ慣れておくことがポイントになります。

できるだけ手間をかけず、家族が食べやすい方法を見つけて、食卓に取り入れてみてくださいね。

 

いざというときに備える、といっても
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