現役保育園栄養士がお伝えします!知っておきたい!2歳児に必要な栄養素と食事量
2歳頃の子どもは、自我が芽生え始める時期。
食事においても、好き嫌いをはっきり示すようになってきます。
保育園でも、「せっかく用意したのに、全然手を付けてくれないんです」という保護者の方からお話をうかがうことがあります。
何をどのくらい食べていたらいいの?と気になるところですよね。
ここでは、2歳児に必要な栄養素と食事量の目安をお伝えします。
<目次>
2歳児の食事量の目安と、意識したい栄養素
ごはんの量は、ママの半分くらいが目安、と覚えてください。
なぜなら、2歳児が必要とするエネルギーの目安量は、900kcal~950kcalで、成人(18~49歳)女性の1700kcal~2350kcalの1/2程度だからです(※)。
ではおかずはどうでしょう?
おかずも、量としてはママの半分程度で良いです。
ただし、気をつけたいのが鉄とカルシウム!
意識して取り入れないと、不足しがちな栄養素なのです。
2歳児の鉄の推奨量は、成人男性の約6割です。
カルシウムでは、成人男性の半分以上、成人女性の約7割(※)となっています。
鉄 | 1~2歳:4.5mg 成人男性:7.5mg 成人女性:10.5mg |
---|---|
カルシウム | 1~2歳:400~450mg 成人男性:750~800mg 成人女性:650mg |
※(日本人の食事摂取基準2020年版より)18~49歳男性・女性(月経あり)、身体活動レベルⅡとの比較
鉄とカルシウムは、子どもだけでなく、大人にも共通して不足しやすいので要注意です。
特に鉄は、月経のある女性なら男性よりも必要量が多く、気をつけないと常に不足した状態になりやすい栄養素。子どもの食事だけでなく、ママ自身も意識して摂るようにしましょう。
このように、食べる量としてはママの半分くらい、鉄とカルシウムはもう少し多く!というのが、2歳児の食事におけるポイントです。
ここからは、そのポイントを踏まえつつ、忙しい中でも用意しやすい朝・昼・夜・おやつの例をあげてみます。
朝ごはんは、野菜やフルーツを上手く活かして!
朝ごはんの例
・ご飯、目玉焼き、野菜の味噌汁、牛乳
・食パン、スクランブルエッグ、スープ、スムージー
主食は、ご飯なら子ども用のお茶碗に1杯(約100g)、食パンなら6枚切1枚(約60~75g)が適量です。
朝食には、体温を上げて体を目覚めさせたり、便通をスムーズにしたり、生活リズムを整えやすくしたりと、大切な役割があります。
忙しいと、つい、パンだけ、バナナだけ、と単品メニューになりがちかもしれません。
でも、空腹の状態で糖質だけを摂るような食事では、血糖値が急上昇し、糖尿病を引き起こすリスクが上がってしまいます。肉や魚、野菜や果物なども同時に食べるようにしましょう。
時間がない!という朝には、次のようなメニューだけでも食べるようにしたいですね!
忙しい朝の簡単メニュー例
・シリアル+フルーツ乗せヨーグルト
・バナナ+小松菜+牛乳のスムージー
ヨーグルトに乗せるフルーツは、カットされたものだと時短できます。冷凍タイプを常備しておくといつでも使えて便利です。
もしぶどうを使う場合は、1/4程度にカットしてあげてください。丸ごとだと喉に詰まって息ができなくなる事故が起きやすいです。ほかに、生のりんごも大きさや食べる時の姿勢などによって同様のリスクがあります。心配な方は、軟らかく加熱してあげると良いでしょう。
スムージーの小松菜は、ビタミン類や鉄分、カルシウムが多い優秀な食材の1つです。でもにおいや食感から、保育園でも苦手な子が多い野菜でもあります。
ミキサーにかけることで、口当たりが良くなり、青臭さも気にならなくなるので、野菜が苦手な子にもおすすめですよ!
昼ごはんは、手軽にしっかりエネルギー補給!
昼ごはんの例
・栄養満点!納豆チャーハン
・おにぎり、具だくさん豚汁
午前中に消費したエネルギーをしっかりと補給し、午後の活動に備えるために、一日の中でもいっぱい食べたいのが昼食です。
でも、ごはんの準備に時間をかけられないので、手っ取り早く用意できるメニューが望ましいですよね!
主食、主菜、副菜(※)は別々に用意しなくても、まとめて摂れる内容ならOKです。
※
主食:米、パン、麺類など
主菜:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など
副菜:野菜、きのこ、海藻類など
時短しやすい、冷凍ご飯、魚の缶詰め、冷凍野菜などを常備しておくと安心ですね!
夜ごはんは、消化しやすいメニューに
夜ごはんの例
・炊き込みご飯、鮭のホイル焼き、味噌汁
・ご飯、煮込みハンバーグ、蒸し野菜
夜ごはんは、一日の最後に摂る食事なので、日中、摂りきれなかった栄養素や量を調整しましょう。
きるだけ消化しやすいメニューにすると、就寝前の胃腸への負担も少なくなります。
野菜が不足していたな、と思ったら、お米と一緒に野菜を炊き込んだり、煮込んだ野菜をミキサーにかけてポタージュスープにしたりするのも一つです。
たんぱく質が足りないかな、と思ったら、味噌汁に豆腐や油揚げなどの豆製品やお麩を入れたり、肉や野菜おかずにチーズをプラスしたりするのも良いでしょう。
消化しやすくするためには、揚げたり炒めたりするより、蒸したり煮込んだりする調理法が適しています。
油ものは消化しづらいので、魚や肉を使うメニューでは、脂身の少ない種類や部位を選びましょう。
おやつで摂りたい!鉄とカルシウム
おやつの例
・鉄分補給!きなこ×さつまいも
・カルシウムをプラス!チーズ入り蒸しパン
おやつというと、甘いお菓子などを連想しがちですが、子どもにとっては食事の延長です。3回の食事では摂りきれない栄養素を補う絶好のチャンスなのです。
特に日頃から不足しやすい鉄とカルシウムは、おやつで積極的に補給しましょう!
以下に、おやつで手軽に摂りやすい食材をまとめます。
鉄 | カルシウム | |
---|---|---|
レーズン | ◯ | |
きな粉 | ◯ | |
煮干し | ◯ | ◯ |
すりごま | ◯ | ◯ |
青のり | ◯ | ◯ |
牛乳・ヨーグルト・チーズ | ◯ |
なお、2歳児のおやつの目安量は、1日100~150kcal程度です。
これはさつまいもだと100g、バナナだと1本、りんごだと1/2個程度になります。
まとめ
2歳児は、離乳食を経て、いろいろな食材を食べられるようになってくる時期。
でも、発育状況や体格と同じように、食欲にも個人差がありますし、その時々でムラもあります。
ここでは一日の食事の目安をお伝えしました。
あくまでも目安量としてなので、お子様の体調や運動量に合わせて、数日の中で調整できれば大丈夫!とおおらかに捉えてくださいね!
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