作り置きって安全?日持ちは何日持つ?調理や保存の注意点を管理栄養士が解説

「作り置きに興味があるけど、食中毒が心配…。何日くらい日持ちするのかな?」
「作り置きを安全に食べるために、衛生面で気を付けることって何だろう?」 

こんな悩みはありませんか? 

毎日のご飯作り、大変ですよね。
少しでも調理の負担を減らすために、作り置きはとても便利な方法といえるでしょう。 

しかし、食中毒の危険と隣り合わせであることも事実。 

そこで今回は、管理栄養士である筆者が
作り置きの調理・保存の注意点と、作り置きにおすすめなおかずを紹介します。

コツをつかんで、作り置きを安全に食べましょう。 

 

そもそも作り置きって? 

 

作り置きとは、事前に作っておいたおかずを保存しておくことです。 

調理時間を大幅に減らせるため、家事を時短できます。
忙しいワーママの中には取り入れている方が多く、作り置きレシピはSNSや本で大人気! 

 

作り置きの日持ちの目安 

まず、作り置きの日持ちの目安を解説します。 

日持ちする期間は、調理方法や味付けによって変わります。 

作り置きの日持ち目安

  • ・サラダや火を通さないものは、傷みやすく食中毒菌が繁殖しやすいため12日。 
  • ・火を通したものは、加熱によって食中毒菌を大幅に殺すことができるので23日。 
  • ・塩分や糖分の多いもの、酢や香辛料を使ったものは、食中毒菌の繁殖を防げるため、34日。 

作り置きといっても、56日以上保存する場合は食中毒の危険性が高くなるため、冷凍しましょう!
冷凍することで、
23週間の保存が可能になりますよ。 

 

作り置きを日持ちさせるコツ 

便利な作り置きですが、注意しなければならないのが「食中毒」。 

ここからは、そんな不安を解消すべく、作り置きを日持ちさせるコツを解説していきます。 

事前に用意するものはこちら。 

〈作り置きを日持ちさせるために用意するもの〉 

  • ・アルコールスプレー(食品用) 
  • ・レンジ対応の密閉できる容器(プラスチック、ガラス、ホーロー) 
  • ・マスキングテープ 

作り置きを日持ちさせるコツ=食中毒を起こさないコツといっても過言ではありません。 

食中毒対策のポイントは3つあります。 

〈食中毒対策3つのポイント〉 

  • 食中毒菌を「つけない」 
  • 食中毒菌を「やっつける
  • 食中毒菌を「増やさない

一つずつ解説しますね。

 

食中毒菌をつけない 

まず、「食中毒菌をつけない」です。 

下処理する段階から、作り置きを日持ちさせるコツがあります。
食材を購入する際に鮮度の良いものを選び、品質を維持させるために、冷蔵庫で保存して おきましょう。 

  • ・清潔な手、もしくは手袋で食材に触る 
  • ・使う調理器具をしっかり消毒する。
    ※消毒の方法は、アルコールスプレーや煮沸。 
  • ・食材はしっかり流水で洗う
    (土がついているものは、入念に)

 

食中毒菌をやっつける 

次に、「食中毒菌をやっつける」です。 

火を通す作り置きおかずは、中心までしっかり加熱しましょう。
食中毒予防には、食材の中心温度が75℃以上かつ1分以上持続させる必要があります。 

  

食中毒菌を増やさない 

最後に、「食中毒菌を増やさない」です。 

ポイントは、食中毒菌が好む環境にしないこと!
温度・水分に注意です。
 

保存容器は、あらかじめアルコールスプレーの噴霧や煮沸消毒をしておきましょう。
しっかり加熱したおかずは、できるだけ早く冷却することが鉄則。
放熱しやすいように、食材を広げて冷まします。
または、保存容器に入れて氷水で冷却できると、さらに良いでしょう。
 

これは、食中毒菌が好む温度(35℃程度)より低い温度に、できるだけ早く食材の温度を下げることが目的です。 

蓋をするタイミングも重要!
食材の温度が下がりきる前に蓋をしてしまうと、湯気が水滴となって容器内の水分が増えてしまいます。
 

しっかり食材が冷えたら、容器に入れ密閉します。
容器は密閉できるものがおすすめ。
食材の酸化、空気中の菌の侵入を防ぐことが期待できます。
 

保存する時は、いつ作ったものかわかるように、マスキングテープに食べきる日付を書いて蓋に貼りましょう。

 

食べる時の注意点

1回に食べきれる量を、お皿にとりわけましょう。
食べない分はすぐに蓋をして、冷蔵庫に戻すことも忘れずに!
 

 

作り置きにおすすめのおかず 

 

作り置きにおすすめのおかずを紹介します。 

食中毒菌は、水分がたくさんあると増殖しやすいので、野菜から出た水分や煮汁を切ることが大切です。 

味付けのポイントは、塩分・糖分を多めに使う、お酢や梅干しを使う、香辛料を使うことです。
塩分・糖分は食材の水分を抱え込む効果があります。
つまり、食中毒菌に水分を渡さないイメージ!
 

お酢や梅干しを使うと食材が酸性になるため、食中毒菌の増殖を防ぎます。
生姜やカレー粉などの香辛料も、食中毒の予防効果が期待できますよ。
 

味付けごとに、おすすめのおかずを紹介しますね。 

  • 塩分:
    味噌漬け焼き(肉でも魚でも
    OK)、お浸し(ほうれん草や小松菜など) 
  • 糖分:
    煮魚、角煮、煮物(かぼちゃ、里芋、きんぴらなど)
     
  • 酢:
    南蛮漬け(肉でも魚でも
    OK)、ピクルス(大根、キュウリ、人参、ミニトマトなど) 
  • 梅干し:
    梅おかか和え(きゅうり、大根、もやし、人参など)
     
  • 香辛料:
    カレー炒め(肉、野菜全般)、生姜焼き(肉でも魚でも
    OK)・生姜和え(ほうれん草や小松菜など) 

 なかには、作り置きに向かないものもあります。

  • ・フライ  

作り置きに向かない理由:油が酸化してしまう、衣が水分を吸って触感が悪くなってしまうため。
衣をつけて、揚げずに冷凍保存がおすすめですよ。 

  • ・豆腐や卵 

作り置きに向かない理由:食材に水分が多く含まれるため。
半熟卵の作り置きは危険!せめて固ゆで卵を殻付きで保存し、早めに食べきりましょう。 

  

まとめ:自分で作らないのも手!作り置きの宅配サービス紹介 

作り置きを安全に食べるためのコツやポイントを解説してきました。 

工程ごとにポイントをまとめますね。 

  • ・鮮度の良いものを購入し、冷蔵庫で品質を保つ 
  • ・下処理は、清潔な手や手袋、調理器具を使う 
  • ・火を通すおかずは、中心部分の温度を75℃以上かつ1分以上持続させる 
  • ・清潔な容器にしっかり冷ましたおかずを入れて、密閉保存する 
  • ・食べきる期間が明確にわかるように、容器の蓋にマスキングテープで食べきる日付を書く 

基本ルールを守り、安全に作り置きを楽しんでくださいね! 

 

 

最後に・・・
あなたが作り置きを取り入れている理由は何ですか?
 

平日の調理の負担を減らしたいから、休日に作り置きを頑張っている方も多いことでしょう。
とはいえ、大量に作る、しっかり冷ますなど、作り置きにとられる時間は、結構かかりますよね。 

こんなことを考えていませんか? 

  • ・休日は、しっかり休みたい 
  • ・作り置きを衛生的に作るコツはわかったけど、正直めんどくさい 
  • ・作り置きはめんどうだけど、家族に適当なものを食べてもらうのは罪悪感を感じる 
  • ・作り置きおかずを、適当に作ってしまうと食中毒のリスクが上がってしまう 

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