子どもの味覚は乳幼児期の食事で決まる?味覚を育てて食べムラをなくすコツ 

「おいしいものを食べる」ということは、人が生きていくうえで、とても大きな楽しみです。子どもが健康で豊かに生きてほしいと願う気持ちは、どのお父さん・お母さんも同じはず。できることなら、好き嫌いなく食べることを楽しんでほしいですよね。 

しかし、味覚が発達する乳幼児期は、偏食やムラ食いで思うように食事が進まないこともしばしばです。そこで、味覚が育つこの時期に親ができる食事中の工夫や、子どもの食べムラをなくすコツなどをご紹介します。 

 

味覚の発達段階と役割 

人は味覚によって、安全な食べ物かどうかを判断してきました。そのため出生直後の赤ちゃんにも味覚は備わっています。

本能的に苦味は毒物、酸味は腐敗物として認識することで、危険から命を守っているのです。乳幼児期に形成される味覚の、発達段階と役割について詳しく解説します。 

 

味覚が発達する段階 

味覚は、生まれた直後から生命維持のために人間に備わる機能です。そして、生後すぐに好きな味と嫌いな味を識別することもできます。そのあと、離乳食が始まる6ヵ月頃から5歳頃までをピークにして、味覚は発達し形成されます。自我がめばえる2歳頃から好き嫌いが出はじめますが、この頃の好き嫌いは一時的なものであることも多いです。一方で、78歳頃に出てくる好き嫌いは後々まで影響することも多く、12歳頃には味覚がほぼ形成されます。 

 

味覚の役割と5つの基本味 

味覚には、甘み・塩味・うま味・苦味・酸味の5つの基本味があります。
この識別は、人間が進化していく過程で獲得してきた機能です。それぞれの味の識別には次のような役割があります。
 

  • 「甘み」:ごはんやパンなどのエネルギー源となる糖の存在を知らせる味 
  • 「塩味」:体液のバランスをとるのに重要なミネラル 
  • 「うま味」:肉や魚などの体をつくるタンパク質 
  • 「苦味」:毒を知らせる味 
  • 「酸味」:腐敗を知らせる味 

乳幼児は、危険から身を守るために、毒や腐敗の味と感じる「苦味」や「酸味」のある食べものを、本能的に嫌う傾向にあります。 

 

味覚をつくるうえで重要な味蕾(みらい)細胞 

 子どもの味覚をつくるうえで重要なことは、乳幼児期にいろいろな味を体験して記憶することです。味覚が鋭敏なこの時期は、さまざまな味を経験して味蕾(みらい)細胞を発達させるといいでしょう。 

味蕾は舌の上にあるブツブツの部分で、味覚をキャッチします。キャッチした味覚は、そのあと味覚神経を通じて脳に伝えられます。 

味覚が伝わった脳は、いつも食べるごはんの味を「いつもの味」と記憶します。ですので、家庭で食べる料理は、なるべく薄味にしておくのが望ましいでしょう。濃い味を記憶すると薄味では物足りなくなってしまうからです。 

さらに味覚を育てるには、五感を強化することも重要です。たとえば香りや食感、温度、見た目の色形など。たくさんの食体験を通して脳に感覚を伝えることで、より味覚は磨かれます。 

 

濃い味つけは味覚障害の原因になる? 

5つの基本の味覚は、「甘み」「塩味」「うま味」「苦味」「酸味」です。この5味のいずれかが正しく認識できない子どももいます。その原因として考えられる理由は2つ。 

  • 濃い味に慣れて繊細な味がわからなくなる 
  • 偏った食事による亜鉛不足 

病気による鼻詰まりや、ウイルス、薬の影響などの一時的なものではない場合、これらが主な原因といわれています。 

乳幼児の味覚を育てるには、なるべく添加物の少ない薄味の食事にしましょう。 

また、ミネラルの一種である亜鉛が不足することによって、味蕾細胞の新陳代謝がうまくできず、味覚が鈍くなることもあります。バランスのいい食事で、亜鉛を摂取できるようにしましょう。 

 

食べムラは成長とともに落ち着く 

2歳頃からは自我がでてきて、食べムラが気になることもあるかもしれません。食べムラは、成長とともに落ち着き、バランスよく食べられるようになることも多いです。健康に問題がなければ、気にせず気長に向き合いましょう。 

食べムラをなくすためのコツは、無理やり食べさせようとしないこと。楽しく食事のできる環境がとても大切です。子どもが、食事の時間=楽しい時間と思えるように、親も食事を楽しみ、おいしそうに食べることを心がけましょう。子どもが食べ物に興味を持つ工夫も大事です。いっしょに簡単な料理をしたり、野菜の栽培をしたりして、食に関わる体験を増やせるといいですね。 

 

さまざまな味を経験することで味覚は育つ 

 

豊かな味覚を育てるためには、さまざまな味を食べて経験する必要があります。

ほかには、できるだけ自然の素材を活かした味にする、五感を使って食べる、楽しい食事環境で食べるなどの工夫があります。
五感を使って食べるというのは、料理を見て楽しむ、香りを嗅ぐ、よく噛む、食感やのどごしを楽しむというだけではありません。言語化することによっても味覚は育まれます。たとえば、「フルーツのように甘いトマト」や「みずみずしいきゅうり」のように言葉で味を表現することでも味覚は育てられます。 

 

まとめ 

子どもの味覚を発達させるには、乳幼児期の食体験が大切です。乳幼児の食事は、できるだけ薄味にして、いろいろな食材を食べる機会を増やしましょう。 

イヤイヤ期などで、子どもの偏食やムラ食いが心配になることもありますが、健康に問題がなければあまり気にする必要はありません。無理やり食べさせようとせずに、食事の時間を親子で楽しむことを優先しましょう。調理方法や味つけを変えると、苦手な食材も食べられることがあります。また、子どもといっしょに料理をして、食への興味を促すのもいいですね。五感を使った豊かな食体験が、味覚を発達させる大切なポイントといえるでしょう。 

 

参考元:
http://www.takei-dental.com/mikaku/mikaku%20rinsyo.pdf
https://www.nyusankin.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/Nyusankin_504_b-1.pdf
https://shoku.hapiku.com/column/004/mikaku-003/
https://kokocara.pal-system.co.jp/2017/07/31/taste-education-kiyomi-mikuni/ 

 

 

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