子どもの栄養バランスって?子どもの健康のために知っておきたいポイントを紹介!
子どもの成長や健康のために「栄養のバランスが取れた食事が良い」と言われても、具体的にどんな食材が良いのか、そもそも何を意識して食事を準備すれば良いのでしょうか?
この記事では、子どもの食事を準備する上で難しい栄養バランスとはなにか、どんな食事を用意すればよいかについて、管理栄養士目線で紹介していきたいと思います。
<目次>
栄養バランスってそもそも何?
栄養バランスとは、人間の体に必要な炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が適切な比率で含まれていることを指します。
必要な栄養バランスは、性別、年齢、生活習慣などによって変化するため、子どもに合わせた食事を準備することが必要になります。
ただし、毎日栄養バランスが完璧な食事を続けるのではなく、1週間単位、1ヶ月単位でおおよそバランスが整っていれば大きな問題はありません。
子どもの栄養バランスの重要性
栄養バランスはどんな人間でも健康のために意識すべきものですが、子どもは成長するために多くの栄養素を必要とするため、特にその重要性が高まる時期でもあります。
必要な栄養素が不足すると、適切な成長が阻害されるおそれもありますし、逆に過剰摂取をすると将来的な疾患のリスクを上げる危険性もあります。
そのため、子どもに合わせた栄養バランスの食事は、幼少期のみならず、人生を通して健康に生きていくために重要な役割を担っています。
子どもに必要な主な栄養素と多く含む食品
子どもから大人まで、体に必要な栄養素は5大栄養素と呼ばれており、それぞれに役割があります。実際にどのような役割があるのか、特に子どもに何故必要なのかについて紹介します。
炭水化物
炭水化物は人間の主なエネルギー源であり、脳や筋肉の活動に必要です。
子どもが健康的に成長するためには多くのエネルギーが必要になるため、炭水化物の摂取が重要になります。
炭水化物は、お米やパン、麺類、芋などに多く含まれています。
タンパク質
タンパク質は身体の多くの成分の構成要素になっており、筋肉、骨、皮膚、髪の毛などの材料になっています。また、免疫系の機能や酵素、ホルモンの生成にも関与しているため、身体の健康にも重要な成分です。
タンパク質は肉や魚、大豆製品などに多く含まれています。
脂質
脂質はエネルギーの重要な供給源であり、細胞膜の構成やホルモンの生成に必要な成分です。脂質は炭水化物やタンパク質よりもカロリーが高いため、少量でもエネルギー源として効果を発揮します。また、魚などに多く含まれるオメガ3脂肪酸は、脳の発達と健康にも重要とされており、子どもにも摂取してほしい成分です。
脂質は、肉や魚の脂身、食用油やバターなどに多く含まれています。
ビタミン
ビタミンは、体内の代謝を助ける効果を持っており、健康な皮膚、眼、免疫系の維持に必要です。
特に、子どもにはカルシウムの吸収を促進するビタミンDという成分が重要だと言われています。
ビタミンは、果物や野菜類に多いですが、幅広い食品に含まれています。また、ビタミンDは魚や卵、きのこ類に多いです。
ミネラル
ミネラルは、身体の機能に多岐にわたって関与しており、骨の成長と維持(カルシウム、リン)、酸素輸送(鉄)、神経伝達と筋肉機能(カリウム、マグネシウム)など様々です。
特に、子どもは成長期に骨や歯が発達するため、カルシウムの重要性が高いです。
他にも、女の子や激しい運動をする子には鉄が不足しがちなど、子どもによっても不足しがちなミネラルが異なります。
ミネラルは、乳製品や肉、海藻やナッツなど幅広い食品に含まれています。
栄養バランスを整えるためのポイント
体に必要な栄養素について紹介してきましたが、どの栄養素をどれぐらい摂れば良いのかは子どもによって大きく異なるため、基本的なポイントについて紹介します。
1日3食食べる
まず、栄養バランスを整えるためには1日3食食べることを習慣づけましょう。
食事のバランスが良くても、食べる回数が少なければ、必要な栄養素を摂取することはできません。
特に、朝食を抜くことが多い子は、少しでも良いので毎日朝食を食べられるような工夫をしてあげましょう。
朝食を抜くと、エネルギー不足による集中力の低下や、痩せすぎなどに繋がる危険があります。
主食・主菜・副菜を揃える
栄養バランスを整えるためには、毎食、主食・主菜・副菜を揃えることを意識しましょう。
主食は、米やパンなどの炭水化物の摂取源、主菜は肉や魚などのタンパク質、脂質の摂取源、副菜は野菜などのビタミン、ミネラルの摂取源となります。
ただし、毎食揃えるのは大変なので、麺類に肉と野菜を入れて1つの料理にしたり、果物や乳製品を一緒に食べたりと、幅広く栄養が摂れるような献立にしてあげるだけでも効果的です。
おやつやデザートを活用する
1日の食事量が少ない小さい子供や、激しい運動をしている子どもなど、栄養が足りていないと感じる場合は、おやつやデザートを活用して栄養素を補給してあげましょう。
おやつには、エネルギーが補給できる炭水化物を多く含む食品に加え、子どもに不足しがちなカルシウムやビタミンを補給できるヨーグルトや果物などもオススメです。
ただし、食べる時間や量が不規則になると3回の食事に影響が出ることもあるため、ある程度規則的にしてあげるのが効果的です。
子どもの栄養バランスの見分け方
栄養バランスの整った食事を食べさせてあげたいと思っても、実際にその食事の栄養バランスが整っているかどうかは、中々わかりません。
そこで、子どもの食事の栄養バランスが整っているかどうかを判別するための方法をいくつか紹介します。
子どもの体調を考える
子どもは大人ほど免疫機能が発達していないため、体調を崩すことも多いはずです。
その原因が全て食事にあるわけではありませんが、食べる量が少なかったり、偏っていたりする場合は、体調を崩しやすくなることも考えられます。
その場合は、子どもの食事について一度考え直してあげるのも良いかもしれません。
子供の体格を意識する
子どもが痩せすぎていないか、太りすぎていないかなど、体格を意識してあげるのも栄養バランスを見分けるために効果的です。
他にも、子どもの身長や体重がその歳の子どもと比較してどうかなども、栄養バランスの指標となります。
ただし、体格や成長具合は個人差が大きく、子供の頃から厳しく管理する必要はありません。
親目線で子どもの体格や成長が気になったら、まずは子どもと食事について考え、バランスや量を調整してあげましょう。
また、子どもの食事は成長に大きく影響を与えます。自己判断ではなく、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
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まとめ
今回は、子どもに必要な栄養バランスの考え方と、必要な栄養素について紹介してきました。
子どもは、大人に比べて食事の重要度が高いため、偏った食事や過不足のある食事では成長・健康に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、今回紹介した内容を意識して子どもの栄養バランスを考えた食事を準備してあげるようにしましょう。
(参考:国民健康栄養調査)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf