2歳児の偏食とは?栄養不足の心配は?対処法と食事の目安量を紹介!

この記事では、2歳児の偏食の理由とその対処法、栄養不足の心配を解消するための食事量を紹介しています。

2歳といえば、離乳食から幼児食に移行し、ママが大人の食事と子どもの食事を作ることに、慣れてきたころですよね。これから始まる「イヤイヤ期」にどう向き合おうかと考えていたら、まさかの偏食がスタート。

「2歳になるまでは、なんでも食べていたのに~」と、悩む方が少なくありません。

そこで今回は、以下の項目に分けて2歳児の偏食を知り、解決策を一緒に探していきます!

  • 2歳児の偏食に関係している発達段階を知る。
  • 偏食の対処法を知る。
  • 2歳児に必要な栄養の目安量を知る。
  • ご飯を食べない時のメニューを考える。
  • 偏食はいつまで続くのか、悩んでいるときの考え方を知る。

 

2歳児の偏食とは?イヤイヤ期に多いの?

まず、2歳児の偏食とは、どのような状態か紹介します。

偏食、食べムラ、好き嫌いの区別は難しいですよね。

今回は、偏食を「極端に同じものしか食べない」や「特定のものを食べない」として、考えていきます。

この章では、「2歳児の発達段階」と、「2歳児の偏食の実態」を紹介します。

2歳児の発達段階

初めに、2歳児の発達段階を知りましょう!

偏食に関係する発達段階は、様々ですが今回は3つ紹介します。

※知りたい項目をクリックすると、すぐに読めます。

  1. 「歯」
  2. 「味覚」
  3. 「自我」

それぞれ解説しますね。

1.「歯」

まずは、「歯」がどのように偏食に影響するかを解説します。

赤ちゃんの歯は、生後7~8か月頃から生え始め、2歳半~3歳ごろに乳歯が20本生えそろいます。

歯が生えるスピードは、個人差が大きいことは説明するまでもありませんね!

つまり、歯がどのくらい生えそろっているかが咀嚼に影響し、食べやすさに直結します。

離乳食では、「歯ぐきで噛める固さ」など、固さを意識していたママが多いと思います。

しかし、2歳になった今…。

わが子が「食べるか、食べないか」ばかりに気がとられていませんか?

一度立ち止まって、食材の大きさや固さが、わが子に適しているか確認しましょう。

食材の大きさや固さを見直した結果、食べるようになることがありますよ!

 

2.「味覚」

次に、「味覚」がどのように偏食に影響するかを解説します。

味覚には味蕾の数が、深く関係しています。

味蕾は、甘みや塩味、うま味や苦みなどを感じて、刺激として伝える重要な役割を担っていますね。

生まれてすぐの赤ちゃんが一番多く、次第に減っていく味蕾。

乳幼児期は命を守るため、毒や腐敗物が持つであろう、苦みや酸味に敏感と言えるでしょう。

味蕾は、味の濃い食事や辛味・酸味などの刺激を受けて、徐々に減っていきます。

この乳幼児期に味覚を育てるとはどういうことでしょうか?

2つに分けて紹介します。

  • 敏感な味覚を維持するために、薄味を心がけ味蕾の過度な減少を防ぐこと。
  • 酸味や苦みを受け入れられる味覚の幅を広げるために、様々な味に触れる機会を作ること。

つまり、2歳児は酸味や苦みを受け入れにくく、甘みやうま味、塩味を好むため、偏食になりやすい。

しかし、調理方法や味付けを工夫して、食べられるものを増やす時期でもある!

とても難しく感じますよね。

でもやることはシンプル!

「薄味を心がけること」と、「いろいろなものを家族みんなで食べる」こと。

青臭かったり、苦みやえぐみが強かったりする野菜が食べられない子が多い理由は、味蕾が影響していると言えるかもしれませんね。

子どもにあわせて、食べやすい下処理をしましょう!

また、味蕾が減る影響で味覚の過敏さが緩和し、食べられるものが増える可能性があります。

偏食に向き合いすぎず、タイミングを待ちましょうね。

参考:Nyusankin_504_b-1.pdf

 

3.「自我」

最後に、「自我」がどのように偏食に影響しているかを解説します。

自我が芽生えると、自己主張が強くなる=イヤイヤ期ですよね。

1歳までは、食べさせてもらっていたり、噛まずに丸のみしていたりした子がいるかもしれません。

しかし、2歳になると、自分で食具を使って口に運び咀嚼して口の中で味を感じてから飲み込めるようになります。

つまり、食べたくなければ、口に運ばない。咀嚼してみて嫌なら吐き出す。

これらを自由にできるようになったと言えます。

自由に食べられることができ、自己主張が強くなった結果、偏食に影響する可能性があると言えるでしょう。

されるがままの赤ちゃんから、意思表示ができる成長を遂げた!と考えて、わが子の自我の芽生えを受け止めましょう!

とはいっても、偏食で悩んでいる2歳児のママは自分だけなの?と不安になりますよね。

そこで、2歳児の偏食の事態を調べました。

厚生労働省が2∼5歳以上の子どもの食事で悩んでいることを、保護者に質問した結果を紹介します。

 

2歳児の偏食の実態

ここから、2歳児の偏食の実態を解説します。

乳幼児を持つ保護者を対象に調査された結果のうち、子どもの食事について困っていることを抜粋しました。

出典:乳幼児の栄養方法や食事に関する状況

この調査結果から、2歳児を持つ保護者のうち、32.1%が偏食に悩んでいることが分かりますね。

約30%が多いと感じるか、少ないと感じるかはそれぞれですが、特別希少な状態ではないことが理解できたと思います。

 

決まったのしか食べない時の対処法

次に、決まったものしか食べない時の対処法を考えます。

子どもによって、合う対策は異なります。

そのため、今回は「やった方が良いこと」、「試す価値ありなこと」、「やらない方が良いこと」に分けて対処法を紹介しますね。

やった方が良いこと

まず、やった方が良いことを紹介します。

  • 食事を楽しい時間にする
  • 親も同じ料理を食べる
  • 家族間で「美味しいね~」と話す
  • 味の感想を子どもに聞く
  • 苦手な理由を分析する
  • 「美味しく食べられた」経験を増やす
  • 昼間、体を動かせる環境を整える
  • 睡眠時間を確保する
  • 生活リズムを整える
  • 食事の時間を決める
  • 食事に集中できる環境にする

 

試す価値ありなこと

次に、試す価値ありなことを紹介します。

  • 食べ物の絵本を読む
  • 一緒に料理をする
  • 好きなキャラクターを取り入れる

 

やらない方が良いこと

最後に、やらない方が良いことを紹介します。

  • 食べないことを怒る
  • 脅す
  • プレッシャーをかける
  • 美味しいよと声掛けをする
  • 無理やり食べさせる
  • 食べないことをわがままだと思う
  • 食べないものを食卓に並べない
  • お菓子のダラダラ食い
  • 好むもの・好む味付けだけ用意する

できることから、取り入れてみてくださいね。

 

2歳児の偏食がひどい!栄養は足りている?

次に、栄養が不足していないかの判断ポイントを紹介します。

食べられるものが限られていると、栄養不足が心配になりますよね…。

栄養が不足しているか、確認する方法は以下の2つ。

  1. 食べている量が足りているか。
  2. 成長するために最低限必要な量を食べられているか。

それぞれ解説しますね。

食べている量が足りているか

まず、「食べている量が足りているか」を確認するポイントを紹介します。

具体的に考えるために、食事摂取基準を用いて解説しますね。

※食事摂取基準とは、健康維持のためにどのくらいの栄養を摂るべきか示されたもの。

お子さんが何をどのくらい食べられているかを書き出して、目安量と比較してくださいね。

食事摂取基準から、2歳児に必要とされる1日に必要なエネルギー(kcal)、タンパク質(g)を抜粋しました。

1~2歳 男児 女児
推定エネルギー必要量(kcal) 950 900
タンパク質の推奨量(g) 20 20

上記の栄養量が、どの程度なのかイメージしやすいように、大人の必要量をお示しします。

男性 女性
推定エネルギー必要量(kcal)

18~29歳(身体活動レベルⅡ)

2,650 2,000
推定エネルギー必要量(kcal)

30~49歳(身体活動レベルⅡ)

2,700 2,050
18~29歳・30~49歳

タンパク質の推奨量(g)

65 50

2歳児に必要なエネルギーやタンパク質の量が、大人の男性の約1/3、大人の女性の約1/2であることが、ご理解いただけましたか?(※イメージしやすい数字を用いています。)

つまり、2歳児は、パパやママのご飯の半分くらい食べられればOK

ここから、バランスの良い食事と、具体的な目安量を解説します。

まず、「バランスの良い食事」とは、どんな食事かをお伝えしますね。

「主食」・「おかず」・「野菜」がそろっていること。

イメージをイラストで示しました。

バランスの良い食事をご理解いただけたところで、具体的な目安量を紹介します。

先ほど、2歳児の目安量は、大人の約半分とお伝えしましたね。

大人と2歳児の1食あたりの目安量を示します。

【主食】

まず、主食の目安量を紹介します。

具体的な目安量を、表でお示しします。

大人 2歳児
ごはん 茶碗1杯(150~200g) 子ども茶碗1杯(75~100g)
うどん 1玉(200g) 1/2玉(100g)
食パン 8枚切り2枚 8枚切り1枚

【おかず】

次に、おかずの目安量を紹介します。

おかずから摂りたい栄養素は、タンパク質。

具体的なたんぱく質の目安量を、

大人の場合は、約20g/食

2歳児の場合は、約7g/食として、考えてみます。

豆腐
大人 100g 100g(1切れ) 3個 1丁
2歳児 50g 50g(1/2切れ) 1.5個 1/3丁

卵や豆腐は、1食で摂ろうとすると食べる量が多くなるので、他の食材をプラスしましょう!

(例)卵の場合、鶏肉を加えて親子丼

豆腐の場合、豚肉を加えて肉豆腐など

その他、煮干し、きな粉、ヨーグルト、チーズ、牛乳をおやつに加えると簡単にタンパク質を補えますよ。

 

【野菜】

最後に野菜の目安量を紹介します。

野菜は、ビタミンやミネラルを摂るために必要ですよね。

色の濃い野菜」、「色の薄い野菜」、「キノコや海藻」を組み合わせると、とても良いでしょう!

野菜の目安量を、イラストで解説しますね。

大人の場合は、生野菜なら1食で両手分火を通した野菜なら1食で片手1杯分

2歳児の場合は、大人の半分なので、1食で大人の手の平分が摂れると理想的です。

 

成長するために最低限必要な量を食べられているか

次に、「成長するために最低限必要な量を食べられているか」を確認するポイントを紹介します。

確認するポイントは、母子手帳にある「成長曲線」を確認すること。

健診で身長・体重がどのくらい増えているか、確認されますよね。

お家でもチェックすることで、安心できる場合があります。

引用:日本小児内分泌学会

この時、注意することは、時系列的に見ること!

一時点ではなく、点を線で繋いで、どのように経過しているかを確認しましょう。

例え、⁻1SDであっても、⁻1SDの範囲で増えていて、なだらかな右肩上がりならOK!

見守っていきましょうね。

※身長や体重の増え方が、心配なママは健診の時に専門家に相談してくださいね。

 

ご飯を食べない時のメニューは?

続いて、ご飯を食べない時のメニューの考え方を紹介します。

ここでのポイントは、食べない・苦手なものを「食材」として、考えないことです。

同じ食材であっても、味付けの方法・調理の方法で全く異なる味や食感になりますよね。

食材ではなく、あくまでも「料理」が合わなかった=どんな味がイヤなのか、どんな食感が苦手なのか?この視点で、理解してあげましょう。

 

【体験談】食べない食材の対処法

私の実体験を紹介します。

わが子は、「玉ねぎ」、「生野菜」が苦手でした。

それぞれエピソードをお伝えしますね。

・玉ねぎ

炒め物に玉ねぎを入れたところ、加熱具合が甘く、シャキシャキ食感が残っていました。

口から出してしまい、それ以降は玉ねぎを避けて食べるようになりました。

⇒私の対処は、玉ねぎをしっかり加熱すること!

味噌汁やミートソースに入れた玉ねぎを克服した段階で、炒め物に再チャレンジ!

人参と同じタイミングで炒めはじめ、いつもより長めに加熱しました。

しっかり炒めた玉ねぎなら、他の食材と一緒にパクパク食べてくれましたよ。

 

・生野菜

離乳食では、あまり食べさせない生野菜。

消化機能も未熟なため2歳過ぎまで、与えることを忘れていました。

思い立ったタイミングで、生レタスをそのまま食べさせたところ、吐き出されました。

⇒私の対策は、大人が次に生野菜を食べるタイミングで、マヨネーズを少しつけて食べさせたこと。

それだけで、食べるようになりました。

2つの体験から言えることは、食感」、「」を変えたことで食べられるようになった。

つまり、「食べない食材」と決めつけず、食べられない理由を考えて、「切り方」、「調理方法」、「味付け」などを変えてみることが大切です!

 

ごはんを食べない時のメニューの考え方

ごはんを食べない時のメニューを考えることほど、しんどいことはないですよね…。

今回は、あえて具体的なメニューを紹介しません。

なぜかというと、そのメニューを食べてもえらえなかった時、更に途方に暮れてしまうからです。

偏食あり・なしに関わらず、バランスのとれたメニューの考え方を紹介しますね。

  • 使う食材を決める (主食、おかず、野菜を組み合わせること)。
  • それぞれの食材の調理方法を決める。
  • 味付けを決める。

食材を決める時に、大切なことは、「主食」、「おかず」、「野菜」を組み合わせること!

食べられている量が足りているか」の項目で、紹介した通りです。

重複しますが、大切なことなので説明しますね。

 

①使う食材を決める

「主食」、「おかず」、「野菜」からどの食材を使うかを決めましょう!

・主食⇒ご飯、パン、めん類など

いわゆる主食が食べられない場合は、イモ類やかぼちゃ、ビーフン、春雨でもOKです。

 

・おかず⇒肉、魚介類、卵、乳製品など

できる限り、朝昼夜で違う種類の食材が食べられるとより良いです。

(例)朝:卵、昼:肉、夜:魚介類

肉や魚は、パサパサ食感が飲み込みにくい場合、脂身の食感が噛みにくい場合があるので、よく観察して種類や部位をかえてみましょう。

 

・野菜⇒色の濃い野菜(小松菜、ほうれん草、ブロッコリーmにんじん、トマト、かぼちゃなど)

色の薄い野菜(キャベツ、大根、白菜など)

色の違う野菜を組み合わせられると、理想的です。

えぐみの強い野菜は、あく抜きや下茹でをしましょう。

 

野菜の他に、キノコや海藻を取り入れられると更に良いでしょう。

海苔を食べられる子は、私の経験上、比較的多い印象です。

青のりをかけたり、干し椎茸の戻し汁を使うこともおすすめですよ。

 

②それぞれの食材の調理方法を決める

調理方法は、炒める、焼く、蒸す、揚げるなどがありますよね。

手の込んだ料理にする必要はありません!

ママの負担がない炒める、焼く、蒸すで充分ですよ。

 

③味付けを決める

味付けは、シンプルなものが望ましいです。

ケチャップやマヨネーズを好む場合が、あるかもしれませんね。

ケチャップにトマト缶を混ぜたり、マヨネーズにヨーグルトを混ぜると薄い味付けかつ、栄養素を補えますよ!

 

最後に…

旬の食材を選んでいますか?

子どもは、大人より本能的です。

季節に合わない野菜を、食べない場合がありますよ。

(例)冬に、体を冷やす夏野菜を食べない。

そして、旬の食材はシンプルな味付けで充分、美味しいです。

素材のうま味を楽しむ簡単な方法は、を変えること!

蒸し野菜に、天日塩をかけるだけ。これだけで、とてもおいしい一品になります。

 

今回はエネルギーやタンパク質を中心に、目安量をお示ししました。

しかし、成長に必要な栄養素は、他にもあります。

より詳しく2歳児に必要な栄養素を知りたい方は、こちらの記事を読んでくださいね。

 

偏食はいつまで続くの?

続いて、「偏食はいつまで続くのか」を考えてみましょう。

食事は毎日のことですから、今の大変さがいつまで続くのか気になりますよね。

できることなら、1日でも早くこのストレスから解放されたい…。

そう思うことは当然です。

結論、偏食がいつまで続くのかは個人差があるとしか言えません。

そこで、考え方を少しだけ変えてみませんか?

偏食を「個性」」と考えてみましょう!

得意・不得意は、子どもだけでなく大人にも、誰にでもありますよね。

  • ・人見知りが激しい
  • ・活発で目が離せない
  • ・言葉が遅い

例を挙げたらキリがありません。

「偏食」もその一つ!言い換えてみましょう。

  • ・ご飯しか食べない⇒お米がとびぬけて好き。
  • ・野菜が食べられない⇒野菜が苦手。でもかぼちゃなら食べられる。
  • ・お菓子しか食べない⇒お菓子が大好き。干しイモや甘栗も食べられる。

「みんなが食べられるから、今すぐ食べられなければいけない。」

こんな発想から、「今は〇〇が食べられる。これから時間をかけて、食べられるものを探して増やしていこう!」と考え方を変えると、気持ちが楽になりませんか?

 

ママも子どもも、食事の時間が苦痛になること、一番避けなければなりません。

考え方を変えて、食べるチャンスが来た時に逃さないよう、食べないものも食卓に出し続けましょう!

 

まとめ

2歳児の偏食について、紹介してきました。

一つでも取り入れられそうなことが見つかれば嬉しいです。

復習しましょう!

※読みたい項目をクリックすると、戻れます。

  1. 2歳児の偏食とに関係している発達段階を知る。
  2. 偏食の対処法を知る。
  3. 2歳児に必要な栄養の目安量を知る。
  4. ご飯を食べない時のメニューを考える。
  5. 偏食はいつまで続くのか、悩んでいるときの考え方を知る。

偏食を受け入れ、子どもに寄り添いながらのご飯作り…

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