妊娠中に知っておきたい!無農薬・有機野菜・オーガニックの違いと安全な選び方
妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんの健康を守るために食生活に気を使っている方も多いでしょう。
食材の安全性にこだわりたい場合は、無農薬や有機野菜、オーガニックを選択肢に入れることも多いはず。
しかし現在の食品表示では「無農薬」という表現は禁止されていることをご存知ですか?
この記事では、無農薬の代替として注目されている「有機」や「オーガニック」の安全な選び方、メリットデメリットなどについて解説します。
<目次>
「無農薬」という食品表示はNG!
「無農薬」という言葉に馴染がある人も多いと思いますが、実はこの「無農薬」という食品表示については、農林水産省により現在禁止されています。
これは、農薬を完全に使用しないことを証明するのは難しく、「無農薬」というフレーズだけでは消費者の正しい理解が得られにくいからです。
そのため、妊娠中に安全な食材を選ぶためには、代わりに「有機JASマーク」などの表示があるかどうかを確認することがポイントになります。
無農薬 |
減農薬 |
無化学肥料 |
減化学肥料 |
ちなみに「無農薬」を含め、上記の表現も表示禁止となっています。
安全な食品を選ぶためにも、できるだけ正しい知識を知っておくことは大切ですね。
参考:農林水産省「特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A]
無農薬・有機野菜・オーガニックの違い
先述の通り、日本の食品表示では「無農薬」という言葉の使用は禁止されていますが、それに代わる表現として「有機野菜」や「オーガニック」という言葉が浸透してきました。
しかし実際には、両者の違いが分からず混同してしまう人もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、「有機野菜(有機農産物)」も「オーガニック」もほぼ同じ意味で使われており、どちらも農薬や化学肥料を極力使わない方法で育てられたもの。
JAS規格に適合している (有機JASマークがついている) |
JAS規格に適合していれば「有機野菜(有機農産物)」や「オーガニック」という表記が可能となるのです。
(前略)農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類に付けられています。
有機JASマークの認証を受けるためには、栽培のプロセス全体において厳しい基準を満たす必要があります。
つまり、この有機JASマークがないものに「有機」や「オーガニック」などの名称の表示を付すことは禁止されているのです。
スーパーなどで食材を購入するときには、有機JASマークがついているかどうかで判断するとよいでしょう。
無農薬に近い食材選び3つのポイント
無農薬に近い食材を選ぶ際のポイントは以下の3つです。
有機JASマークの確認 | 厳しい基準をクリアした有機JASマークがついた食材を選ぶ |
オーガニック専門店などの活用 | 信頼性が高く、取り扱いも豊富なオーガニック専門店を活用 |
無添加の宅配食サービスの利用 | 忙しい妊婦さんにとって便利で安全な選択肢 |
有機JASの認証マークが付いた商品は、一般の野菜と比べると農薬残留量の心配も少なく、妊婦さんにとっても安心して食べることができる食材ですね。
それゆえ有機野菜やオーガニックを専門に取り扱うお店を利用するのもおすすめ。
また、毎日の食事作りが大変な妊婦さんには添加物不使用の宅配食「シェフの無添つくりおき」という選択肢もあります。
保存料などの添加物を一切使用せずに作られているので、安心して食べられますよ。
発色剤や着色料なども使っておらず、調味料の原材料まで徹底的にチェックした上で調理されたものが届くので、体に優しく嬉しい宅配食です。
どんな影響がある?農薬を極力避けた食材のメリットとデメリット
有機野菜やオーガニックの食材を選ぶことは、できるだけ自然な栽培方法で育ったもののため体にも安心ですね。
一方で、生産コストがかかるのも事実。
一般の食材と比べて高くなるといったマイナス要素もあります。
ここでは妊娠中にこれらの食材を選択するにあたり、メリットやデメリットを解説していきます。
メリット
有機野菜やオーガニックなどの食材を選ぶにあたっては、次のようなメリットがあります。
・安全性がある
・栄養価が高い
・環境に優しい
妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんの健康を守るためにも、できるだけ安全な食材を選びたいもの。
有機野菜やオーガニックは、農薬による化学物質の残留が少ないため一般の野菜に比べて安全かつ安心です。
また自然な栽培方法で育つため、ビタミンやミネラルなどの栄養素がより豊富に含まれているのもメリット。
限られた化学肥料や農薬しか使用しておらず、土壌や水質汚染も一般の野菜に比べると少ないことも大きなポイントです。
長期的な目線で見ても持続可能な環境下で栽培できるため、環境にも優しいことが分かります。
デメリット
一方、メリットだけではなくデメリットがあるのも事実。
・価格が高い
・入手が難しい場合がある
農薬を極力避けて作られる食材は、手間がかかり生産コストが高くなります。
そのため一般の食材に比べて価格が高くなることは必然。
できるだけ安心のものを選びたいという気持ちはあっても、全ての食材を有機野菜などに変えるのは難しいかもしれません。
また限られた場所やお店でしか手に入らない場合もあるので、欲しい食材の種類が少ないこともデメリットのひとつでしょう。
妊娠中に無理なく続けるためのコツ3選
自身の身体と赤ちゃんのためにも、無理のない食材選びを続けるためには3つのコツが必要です。
まとめ買いをして保存 |
宅配サービスを活用 |
部分的なオーガニックの導入 |
有機野菜やオーガニック食材は、流通が少ない場合もあり手に入りにくいことも考えられます。
購入できるときにまとめ買いをして冷凍保存等できれば無駄なく消費可能に。
また、定期宅配サービスなどを活用するのも一つの方法です。
買い物に行く手間も省けるので、妊娠中の大変な時期にも重宝しますよ。
さらに、全ての食材を有機野菜やオーガニックにすると大変です。
農林水産省では、農薬の使用状況や残留状況についての調査結果を公表しています。
こうした資料を参考にしながら、優先的に取り入れたい野菜や果物を中心にオーガニック生活をしていくのもよいのではないでしょうか。
農林水産省「国内産農作物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について(令和4年度)
まとめ
妊娠中は、赤ちゃんと妊婦さんの双方にとってとても大切な時期です。
農薬を極力使用していない有機野菜やオーガニックの食材は、さまざまなリスクを避けるだけでなく、身体にも優しいため安心して食べられるでしょう。
しかしすべての食材を有機野菜やオーガニックに変更することは難しいのも事実です。
有機JASマークやオーガニック専門店の活用など、無理なく続けられる方法を取り入れながら、安心かつ栄養価の高い食事を目指していきましょう。
母乳育児に役立つ食べ物と避けたい食材については、こちらをご覧ください。