保存料はどんな添加物?食品添加物の種類が一目でわかる一覧表をチェック

食品選びでは、どのような原材料が使用されているかチェックしてから選ぶ人も多いはずです。
原材料名にズラッと見慣れない添加物の名前が並ぶのを目にして、購入を迷うことはありませんか?

子どもや家族にはなるべく安心できるものを食べてもらいたいですよね。安心して食べられる食品を選ぶには、原材料についての正しい知識が必要です。
一般的には、日本で使用されている食品添加物は安全性が確保されています。そのうえで、食品添加物の種類を知って、納得して食品が選べるようになりましょう。


この記事では、食品添加物の中でもよく見かける「保存料」について詳しく解説しています。食品添加物を見分ける一覧表も合わせてご紹介しますので、食品選びの参考にしてくださいね。

 

食品添加物とは?

食品添加物とは、食べ物を作ったり、加工、保存、味付けするときに使う調味料や保存料、着色料などの総称です。食品衛生法では、食品を製造する過程、または加工・保存の目的で食品に添加、混和などの方法で使用するものを食品添加物と定義しています。

食品添加物のはじまりは、食品の長期保存、風味の向上、色や香りを付けるといった目的で、塩や囲炉裏の煙、植物の実や葉などを食品に加えたことだといわれています。

食品添加物として使用できる成分は、食品安全委員会による安全性と有効性の評価を受け、厚生労働大臣に認められたものだけです。食品添加物ごとに規格や使用基準が定められています。また、使用が認められた食品添加物であっても、1人当たりの摂取量を調査して安全性を確保しています。

 

食品添加物の4つの役割

食品添加物は、食品を製造する過程においてや、食品を安全に保つために使用され、大切な役割を担っています。たとえば、保存料は災害時の備蓄品である長期保存ができる食品づくりに役立っています。また、増粘剤は介護食にも使用。噛んだり飲み込んだりすることが困難な人の食事をサポートしています。

食品添加物は、使用目的に合わせて次の4つの役割に分けられます。

  1. 製造や加工に必要な添加物
    豆腐を固める「凝固剤」、中華麺の加工時に使用する「かんすい」
  2. 風味や外観を良くする添加物
    ハムやソーセージの色を保つ「発色剤」、香りを良くする「香料」、食感を良くする「乳化剤」「増粘剤」
  3. 保存性を上げ食中毒を防止する添加物
    食品の酸化・変敗を抑える「保存料」や「酸化防止剤」、原料に付着している微生物を殺菌する「殺菌料」、果物のカビ発生を防ぐ「防かび剤」
  4.  ■ 栄養成分を強化する添加物
    食品に含まれる栄養素を補充・強化する目的で加える「ビタミン」「ミネラル」「アミノ酸」

 

日本で使用が認められている食品添加物の分類

日本の法律で使用が認められている食品添加物は、厚生労働省が指定した「指定添加物」と、それ以外の「既存添加物」「天然香料」「一般飲食物添加物」の4種類に分類されます。

食品添加物の分類基準は以下の通りです。

  • ・指定添加物(475種類):安全性と有効性を確認し、使用基準を定めた上で厚生労働大臣が指定した添加物
  • ・既存添加物長年の食経験から国に使用を認めている添加物
  • ・天然香料植物や動物由来の天然の物質
  • ・一般飲食物添加物通常は食品に分類されるが、使い方が添加物に分類される

これらの食品添加物は食品の製造、加工、保存のそれぞれの目的に合わせて使用されます。

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使用が許可されている食品添加物一覧

食品添加物は食品衛生法で規定されたルールを守り使用する必要があります。

食品衛生法では、原則として使用した食品添加物を全て原材料に表記することが、義務づけられています。また、表記する情報は成分名だけではなく、用途名の併記も必要です。

以下の表は日本で使用が認められている食品添加物の用途名と成分名一覧です。

食品添加物の種類 使用用途 食品添加物の一例
甘味料 食品に甘味を与える。 アスパルテーム
着色料 食品を着色し、色調を調節する。 βーカロテン
保存料 かびや細菌の発育を抑制、食品の保存性を良くする。 ソルビン酸
増粘剤、安定剤、ゲル化剤又は糊料 食品に滑らかな食感や、粘り気を与え、安定性を向上させる。 キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン
酸化防止剤 油脂などの酸化を防ぎ、保存性を良くする。 L-アスコルビン酸
発色剤 ハム・ソーセージ等の色調・風味を改善する。 亜硝酸ナトリウム
漂白剤 食品を漂白し、白くきれいにする。 亜硫酸ナトリウム
防かび剤又は防ばい剤 柑橘類等のかびの発生を防止する。 オルトフェニルフェノール
イーストフード パンなどのイーストの発酵を良くする。 炭酸カルシウム
ガムベース チューインガムの基材に用いる。 エステルガム
香料 食品に香りをつけ、おいしさを増す。 l-メントール
酸味料 食品に酸味を与える。 クエン酸
調味料 食品にうま味などを与え、味を整える。 L-グルタミン酸ナトリウム
豆腐用凝固剤 豆腐を作る時に豆乳を固める。 塩化マグネシウム
乳化剤 水と油を均一に混ぜ合わせる。 メタリン酸ナトリウム
水素イオン濃度調整剤 食品のpHを調整し、品質を良くする。 DL-酒石酸
かんすい 中華麺の食感や風味を出す。 炭酸カリウム
膨張剤 ケーキなどをふっくらさせる。 炭酸水素ナトリウム

 

保存料はからだへの影響がある?

日本では、食品安全委員会の安全性評価で、保存料ごとに人が一生毎日摂取し続けても健康に影響がないとされる「一日摂取許容量」を規定しています。一日摂取許容量とは、動物実験で有害な影響が見られない最大量の1/100の量です。

実際にどのくらいの保存料を摂取しているかは令和2年度に厚生労働省が「マーケットバスケット方式」で調査しています。マーケットバスケット方式とは、スーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれている食品添加物量を分析して測ります。その結果に平均的な1日当たりの食事量を乗じて食品添加物の摂取量を求めるものです。令和2年度に調査対象となった保存料の一つ、安息香酸を例に、実際の摂取量と一日摂取許容量の差を確認してみましょう。

  • 安息香酸の一日摂取許容量は上限5 mg/kg (体重/日)です。
    調査で検出された安息香酸の1日摂取量の平均は1.192( mg/人/日)でした。これを体重50kgの人で計算すると、一日摂取許容量が5mg×50kg=250(mg/人/日)となり、実際摂取している量は一日摂取許容量の1.192mg÷250mg=0.48%となります。

このように、通常の食事から食べている保存料は一日摂取許容量よりもずっと少ない量と言えます。今回の調査で対象となった保存料は、どれも一日摂取許容量を大きく下回っていました。厚生労働省も今回調査した添加物について安全性上、特段の問題はないと見解を示しています。

 

保存料の役割

保存料には、食品中のカビや細菌などの増殖を抑え、腐敗を防ぐことで食品の賞味・消費期限を長くする役割があります。長持ちをさせるために、保存料が使用されている食品はチーズ、バター、パン、洋菓子、練り物やソーセージなどと多種多様です。

保存料は食品の保存性を高める目的で使用されるため、微生物を殺す目的で使用される殺菌剤とは違う役割を持ちます。すべての食品に保存料が必要というわけではありませんが、常温で輸送したり長期間保存する食品に保存料は欠かせません。

保存料にはいくつか種類があり、食品の製造や加工の特徴と合わせて使い分けられています。ここでは代表的な保存料と安全性について紹介します。

 

代表的な保存料①安息香酸類

安息香酸は食品中に天然に含まれている成分で、古くから保存料として用いられている食品添加物です。日本では安息香酸と安息香酸ナトリウムが、食品添加物として指定されています。

一方で、安息香酸ナトリウムを含む飲料水は、子どもの多動性に影響を与えるという研究結果や清涼飲料水中の安息香酸とアスコルビン酸(酸味料、酸化防止剤)が反応し発がん性物質であるベンゼンを生成するという報告があります。しかし、いずれもデータとしては十分ではなく、見解が分かれています。

日本では、一日摂取許容量を守って摂取する限りにおいて、健康を損なうおそれはないと食品安全委員会により審議され評価されています。(参考元:厚生労働省

 

代表的な保存料②ソルビン酸類

ソルビン酸類はカビ、酵母、細菌など幅広く微生物の繁殖を防ぐ効果があります。抗菌力は強くありませんが、水に溶けやすいため有用性の高い保存料です。主にチーズ、ハム、調味料やジャムなどの加工食品に使用されています。ソルビン酸類は日本だけでなく、世界で最も使用されている保存料の1つです。

ソルビン酸は食肉製品において亜硝酸塩と併用されることがよくあり、加熱によってDNA損傷物質が生成されると報告されています。しかし、家庭での調理とは異なる条件で生成されるため矛盾があり、試験結果は信頼できないとの見解です。食品安全委員会の調査では、人の健康に対して影響がないと判断されています。(参考元:厚生労働省

 

代表的な保存料③プロピオン酸類

プロピオン酸は化学合成により作られていますが、わたしたちの体内でも腸内細菌によって産生されています。しょう油やみそなどの発酵食品中にも、もともと含まれている香気成分で、カビや菌の発育を阻止する一方、酵母への影響が少ないのが特徴です。そのためプロピオン酸から化学合成されたプロピオン酸カルシウムは、酵母を利用して発酵するパンに使われています。そのほか、チーズや洋生菓子にも使用されることが多い食品添加物です。

肥満や糖尿病への影響を示唆する海外の研究データもありますが、さらなる調査が必要と結論づけられています。(ハーバード公衆衛生大学院

 

まとめ

食品添加物は製造から保存まで、さまざまな用途で使用されています。現代の日本で、食品添加物を避けて食事をするのは簡単ではありません。食品添加物には天然由来の物や、成分自体は食品であるものも含まれています。また、食品添加物の安全性は、厳しい試験によってチェックされ、審議して確かめられているので、過度に心配する必要はありません。

食品添加物の一覧表を参考にしながら、過剰摂取を避けるようにしましょう。原材料に迷うことなく、納得した食品選びができるといいですね。

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